稲垣えみ子の「もうレシピ本はいらない~人生を救う最強の食卓」を読んだ。
この本は新聞社でバリバリに働いていた稲垣さんが、早期リタイヤを考えて、本当に「お金の心配」をしていてたどり着いた一つの答え。
つまり、食のミニマリズムだ。
でも、そんなにとっつきにくいわけではなく(というよりバリキャリのはずなのにこの地に足の付いたオバチャン感!)お金の心配を「食べていけるかの心配」に置き換えて考えてみて、導き出した答えがこちら。
「ご飯、味噌汁、漬物」を食べていれば一日200円くらいであろう。
で、あれば一ヶ月2万円あれば食べていける。
2万円であれば、時給千円のバイトを月20時間すればよい・・・・
▶イケる!
となったらしい。
で、きっかけはそんな感じだったのだが、この一汁一菜生活のが「我慢して耐える粗食」ではなく「最高に美味しい」と感じているから、今幸せだし、みんなも真似したら良いやん!という魂の叫びだ。多分。
これは以前読んだ、土井善晴の「一汁一菜で良いという提案」と全く同じで、レシピ本ではなく、どっちかと言うと「啓蒙の書」だ。
レシピも載ってるけど、どっちかというと、なんでも味噌汁入れたら良いやん!
(こんな雑じゃないけど)という考え方を教えてくれるのだ。
感化された私はしばらく味噌汁あったら良いでしょ、とばかりに味噌汁攻めにしていたのだが、いつの間にかやめてしまった。
子供が食べないんだわ、これが。
なんなら、実は私も食べない(なんそれ!)
毎日味噌汁を作るのはカンタンだが、「毎日食べても飽きないほどのうまい味噌汁」を作るのは結構難しいということよ。
ただこの本が話題になったのは、
「家族のためにバランスが取れて、みんなが喜ぶ料理を作らなければ」という観念に囚われているたくさんのお母さんたちの救いの書だったからだと思う。
もう、がんばらなくていいだよ、と。
そんなに品数作らなくたって、毎日バリエーションがなくったってよし。
だって、日常ってそういうものだから。
そう、この二人は
「毎日毎日、そんなにごちそうを食べる必要がありますか?」
「たまに食べるからごちそうじゃないんですか?」
ということを言ってくれているのだ。
毎日異国のスパイスを使ってSNS映をするような料理をたべていたら、
毎日がフェステイバルで一見楽しそうだけど、それってフィエスティバルが日常になった、単なる落ち着かない日々なんじゃないの?と。
確かに。
毎日「あーーーなんか適当に作れるタンパク源・・・肉を炒めるか魚を焼くか」というあの時間がなくなるのであればなんと楽か。
この考える、悩む時間って結構馬鹿にできないなと思う今日このごろ。
人間、悩んで決める力って、一日の総量が決まってると聞いたことがある。
なので、オバマ元大統領やスティーブジョブズは基本同じ服を着ているらしい。
なるほどねーそれも真似したい。(でも、ジョブズは夏は何を着てたのかなー・・・)
食の方に話を戻そう。
稲垣さんのこの本は、土井さんの「なんでも味噌汁に入れたらいいやん」に「なんでもぬかに漬けたらいいやん」が付け加えられた感じ。
だがしかし、とっても残念だけども稲垣さん、あなただからできるのかもよ!(羨ましい)
だってこのメニュー・・・高校生男子が満足できるとは思えんのだよ。
厚揚げのぬか漬けとかまじで美味しそうなんだけど、食べないとおもうんだよなー
いや、それしか作らなければたべるか・・・?
3歳なら可哀想だけど、高校生ならもう良いか・・・母の葛藤。
彼女の文章、とにかく食レポがす「いい意味で同世代感」がすごい。
「ぬぉ~うまい!」とか「ぐぬぬ、うみゃい!」とか。
まあ、私のなかではファンシー丸文字なのだが、これはこれでここだけ抜き出すとアレかもしれん。なんそれ!
(本日2回目のなんそれ)
そんな人には、読んでないけど写真たっぷりのレシピ本があるのでおすすめだ。
レシピ本がいらない人のレシピ本とはこれいかに。
ロックだわ、いやアフロだわ・・・
とりあえず、感化されて私は今朝ゆで卵とエリンギのぬか漬けを食べました。
うみゃい!