ブログを放置している間に、季節は進み、さてお盆である。
江戸時代であれば盆と正月しか休みがないっていう一年の区切り。えー昔の人は働き者すぎない?土日もないんでしょ?休みながら働いてたのかな―
さて、最近読んだ本でぐぐっと来たこれ「食欲人」
こちらの本、一言でいうと「科学者が語る食欲について」だ。
なので、これをするだけで一日で痩せるみたいなインスタントな方法を期待してはいけない。いけないのだが、めちゃくちゃ基礎知識をバク上げしてくれる。
痩せたいなら、摂取量と消費量のバランスを変えるしかない。
それは自明のことなのだが、その摂取量をコントロールできなくなっているのが現代人なのさ。
そこに白いご飯があり、お米には八十八の神様が宿っているのよ、などと言われ育った私達。そりゃ、食べるさ。食べずに残すなんて選択肢はないさ。
テレビでは一日中美味しそうなものの紹介をおこなっており、ネットでも飯テロが頻回におこなわれ、少々丸くても自分で動けるくらいの体型を維持している私達えらい、とおもうよ。
そう、食べる量を減らせば痩せるとしたり顔で行っても、それができりゃ苦労しないってやつ。
私たちが食欲をコントロールするってことは、かなり難しく、むしろやり遂げてる奴らは鉄の意志か課金かどっちかだと思っている。
ところが、のっけから重大なヒントが語られる。
「食欲は必要なタンパク質量が満ち足りれば収まる」
いいですか、大事なことなのでもう一度言いますよ。
「食欲は必要なタンパク質量が満ち足りれば収まる」
そう、満腹中枢がどうのとか、意志の力とかではないらしい。
好きなものを好きなだけ食べていい状況になると、そして、それが毎日行われると保証されているなら、自然と「自分に必要はタンパク質量」を食べ終わったら食事は終わり、になるんですってよ!
なので、私達がいつも捕らわれている(主語おかしいか?)
・・・なんか、口寂しい、チョコ食べたい、甘いもの食べたいああなんか・・・(っていうのはすでに何かの依存症の気がするけども)
というあの謎の食欲は、炭水化物とかを食べてカロリーは十分だけど、タンパク質がたりていないので「物足りない」んだそうだ。
ちなみにスナックなどの濃い味は、脳がタンパク質と勘違いして食べたくなるけど実際はタンパク質はいってないから、食べても食欲は収まらないらしいよ。
コンソメポテト!肉っぽい味付けで私たちを謀って油と糖しかないのよ。
と、ココまででも十分ためになるんだけど(しかも実験方法がめちゃくちゃ面白い)科学者って才能ではなく、「やり続ける事ができる人」しかなれない職業だと思うわー
ところがところが、「じゃ、ゆで卵ばっか食べときゃいい?」となるのはアサハカさんなのである。
「ご飯を食べなきゃいい?」ってなるのも、大アサハカのコンコンチキなのである。
なんと、タンパク質を食べることと炭水化物を食べることはセクシーな魅力と長寿とのトレードオフの関係だというのだ?
イナゴやショウジョウバエを使った(筆者は昆虫学者でもある)興味深い実験によると
タンパク質多めの餌を与えたものは生殖器が発達、つまり子孫を残すことに全振りして、短命。
一方炭水化物多めのものは生殖に関してはイマイチ結果を出せないが、いわゆる長生きになるそうな。
これ、めちゃくちゃ面白くない?
頭の中を筋トレ系YouTuberの頓死が思い浮かんだわ。
つまり、結局はバランス大事ってことだ。ただ、人生のステージで自分の遺伝子を残したいならタンパク質多めがいいってこと。ということは、すでに子育てもやや終了気味である私は炭水化物多めにとって長命を狙うのが正解か・・・
なーんだ、じゃ白いご飯食べていいじゃん!!
大興奮したところで、この本のちょうど半分。残り半分についてはどんどんもはや都市伝説並みに「怖い話」になっていきます。
この本の帯には「タンパク質欲しさにあなたは『ペンキまでたべる』」とありますが、これがまあ、冗談や大げさではないのだ。
見た目だけを取り繕った工業製品を私達は食べているんだという証拠が次々あがってくる。
痩せるため、というか健康で長生きするためにはもはやカロリーと運動の2つの軸ではないな、何をどれだけ口に入れるかという軸で考えなくては。
そして、先の長いこどもにはなるべく「家にあるもので作れるもの」をたべさせなくては。
そんな「丁寧に生きない派」の私にして決心をさせるすごい本だった。
私のつたない説明ではわかりにくいかと思うので、この本をべた褒めしているという「ゆる言語ラジオ」のリンクを張っておきます。