中村文則の「去年冬、きみと別れ」を読んだ。
なんかずっと気になっていた本と勘違いして？購入。
新聞の書評で読んだ…
警察ミステリで…
被害者だか加害者だかの人間ドラマがミステリを超えていて…もはや純文学？だ
こんなミステリ読んだことないと誰かがコメントしてた…
と言ったミステリと勘違いして読んだのだが、それなりに一気に読めて面白かった。
誰か上記のミステリに心当たりがある方、教えて！ほぼほぼノーヒントな気もするけど！
中村文則著だったと思うんだけどなぁ。
さて、こちらの話、わりと読みやすく一気に読めたのだが、難解。
読みやすいのに難解ってふしぎな感じ。
終盤畳みかけるように明かされる真犯人の独白に、なるほどーと唸らされるのだが、なーんか読後はスッキリしない。
最後に明かされる表紙を開いたところにある献辞、そこ含めてトリックだったと言われても、ごめん、そこが一番わからないのよー
ご丁寧に作者本人の後書きにも、あまりにもわからないと言われるので説明してあげると、書いてあるがやっぱりピンとこない。
あまりのわからなさに、ネタバレ注意、とされているサイトをめぐるもやっぱりわからぬ！
で、検索して分かったのだが映画化されたらしく、EXILEの岩田ナントカ君の画像がゾロゾロ出てくる。
イケメンがたくさん出て来てるので、もしかして話題作だったのかしら。
ミステリ、なのか？これ？
あえて誰が書いている文章か分からなくしているのでら騙されてしまうけど…読んで全くスッキリはしない。
罠、と言うか伏線が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、かなり真剣に読まないと置いて行かれる。
作中クレージーなカメラマンの作品に対する姿勢に対し、何度も芥川龍之介の「地獄変」が持ち出される。
そして、事件を書こうとするライターに対しては何度も何度カポーティの「冷血」が引き合いに出される。
カポーティ、なんと「ティファニーで朝食を」を書いた人。
こちらの「冷血」は彼がそれまでの作風を投げ出して書いたノンフィクションで、その後筆が持てなくなったそうな。
大きな事件のノンフィクションは、それを書く作者には胃に穴が開くような作業だと思う。
殺人犯の思考を辿るわけだから。
澄み切った秋空とは真逆の、煙に巻かれる感を楽しみたい方におすすめ！
ちょいとしたエロスも入っているよ。
