iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

基本、美女と逃げる話「ロバートラングドンシリーズ」

ダンブラウンの「ロバートラングドンシリーズ」を読んだ。

 

基本ずっと逃げている

めちゃくちゃ面白かったけど、全シリーズにおいて言えることは、とにもかくにもずーっとロバートラングドン教授が美女と逃げている話だ。

 

毎回毎回タイプの違う美女がでてきて、何らかの事情で逃げながら毎回いい感じになりつつ、間一髪事件を解決する話だ。

 

社会現状になったほど売れたダビンチコード。

 

ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。

 

 

トムハンクスのイメージが強い主人公のラングドン教授。

もちろん私の脳内でもずっとトムハンクスだったので、イケメン枠から微妙にはみ出しているのだけど、たぶん小説内のラングドン教授は「頭もいいし人当りもいい、しかも体を鍛えることを怠らないナイスガイ」だ。(ナイスガイ!)

 

まあ、私がトムハンクスの何を知っているか、と言われると何も知らないのだが。

 

私がAIに「ヨーロッパの街並みで男女がにけるイラストを描いて」お願いして書いてもらった画像と映画のポスターが、大枠で同じだったので笑った。

 

全シリーズを読むと結構な分量なのだが、相変わらずAudible(オーディブル)に読んでもらったので楽勝だ。

 

ダビンチコードでソフィアとかなりいい感じになって何ならプロポーズに近いことを言っておきながら、次の話では「独身であることを楽しんでいるいい男、それがラングドン」的なことを言っていてずっこけた。

そういう様式美のやつか~~~

 

それにしても、ラングドン、毎回結構死にかけるんだよねーー

ヘリコプターから落ちたり、溺死寸前になったり、なかなか活躍。

ふつう死ぬやろ!と突っ込みつつもついつい読んでしまう、ダンブラウンの筆力がすごいんである。

 

キリスト教圏に住む人たちにとってはもっともっと衝撃的な内容なんだと思う。

特にダビンチコードでは、キリスト教の根幹に関わる秘密が暴かれてしまう。キリストはマグダラのマリアと結婚して子供を作っていた? その子孫は今も生きている? 聖杯は実はマリアの子宮を象徴する?

 

いやあ、そんなことが本当だったら、キリスト教徒はオイオイ!それを言っちゃあおしまいよと思うんじゃない?

Audibleで読めるらんぐどんシリーズはこちら。

自分がめっちゃこまったので、読む順番も書いておきます。

(ただ、読む順番がちがってもそこまでこまらない。前作の話はふわっと触れる程度で、毎回新しい女と逃げてるから。)

 

 

 

ダビンチコードが一番有名(一番最初に映画化された)けどこれが一作目らしい。

イルミナティとかでてきて、新しいローマ教皇を選ぶのにラングドンが大活躍する話だ。

ヘリコプターから装備もないのにスカイジャンピング!やばい奴!

 

 

友人のフリーメーソンのために、彼の妹とFBIから逃げる。もう常に逃げてるからいいけど。

めっちゃ感じの悪い悪役(でも実はいい人)としてサトーという日系女性が出てくる。

恐ろしい女として。

 

 

今回のラングドンは、記憶喪失からはじまって美女で天才の医師と逃げます。

もはや、逃げているのか追いかけているのかよくわからん状態にもなり、美女も一緒に逃げてる美女とまぶたに焼き付いた美女がでてきて、まあとにかくえらいこっちゃです。(この本はほんとに怖いけど面白かった。人口増加の問題について考えさせられる)

 

天才教え子が、我々はどこからきてどこへ行くのか・・・を解き明かし、殺されてしまう話。

まさしく今はやりのAIがでてくる。


AIに「どんな手を使っても○○を成功させる」という命令をしたばっかりに

手段をえらばぬAIが・・・ってやつです。

これ以上いうとネタバレになるけど、最後はぞぞぞ~ッとします。

 

 

さすが、世界的ベストセラー!よんで損はない、そんな感じ。

ホンの重さと金額にビビらなくて大丈夫。Audible(オーディブル)なら、サブスクで読めるよ~

 

 

 

人生の長期戦略がチャチャっとわかる!「ロングゲーム」

DAIGO推薦!に惹かれて「ロングゲーム」を読んだ。

 

自己啓発本なんだけど、読めばすぐ明日から使える情報、と言うよりは、長い人生を見据えていかに戦略的に自分のやりたいことを実現していくか、と言う内容。

 

何かを成し遂げたい人たちで、少なくとも本屋の自己啓発の棚の前は溢れかえっていると思うが、何かを成し遂げるために一番大切なのは、才能やセンス、そして運などではなく、粘り強く取り組み続けることがだいじよね、と言う話。

 

結果はすぐには出ないと知ろう。

 

やり続けるためのコツと考え方の本。

 

特に、すごく毎日忙しい!と思っているちょっとえらい人には刺さるのでは?

 

忙しくしないために自分の時間をいかに守るかと言うことも丁寧に書いている。

 

どんなに素敵なオファーも自分のキャパシティを超えたら断るべきだし、自分の長期的な目的に合わないのであれば受けるべきではないらしい。

 

会議を勝手に入れられて忙しいがって喜んでるのは、まだキャリアが未熟な人たちらしい。

 

いわゆる忙しいマウント取ってくる人は、未熟者。

 

PTAの役員決めとか、町内会のお役目決めとか、忙しいカードのみせあいみたいなとこ、あるもんねー

 

いやいや、それなら私の方が忙しーし!

ドヤ!

みたいな。

 

話、それましたわ。

 

忙しいってことは常に満杯のコップなので、それ以上注ぎ込めない。だから、やらないことをきっちり手放すことが大事。

 

そして、自分の時間の20パーセントをチャレンジにあてよう!とも言っている。

 

これはGoogleでも行われている委員会活動?みたいなもので、自分のチームの仕事以外に、興味のあるプロジェクトにも参加して良いと言う仕組みらしい。

 

へーいいなー、と思うけどあのGoogleですら自分の仕事の20%を捻出できる人は少ないらしく、

結局120%できる人しか結果が出せないとか。

 

最近、特に思うのは、才能の前のセオリーだなーと。

才能がなくても、セオリーを学び続けることをあきらめなければいいとこまで行くんじゃないかなぁと。

 

粘り強くやり続けるちから。

やり抜く力、として話題になったよね。

 

まさしく、希望を与える本だと思う。

自分の子に読ませたい。

 

 

 

 

本屋パトロール紀伊國屋書店博多店

 

すっかり ご無沙汰して、一ヶ月以上ブログををサボってしまった。

 

原因は、ある本を読んで感想アップしたい、と思ってる矢先に次の本を読んで、なんか前の感想アップしなくちゃみたいなことが連鎖した、積読ならぬアウトプット渋滞だ。

 

ある本って言うのは島田荘司の龍臥亭事件。

 

 

 



この本が物理的にも大作なんだけども、心理的にも津山事件(あの有名な三十何人か殺しちゃった事件)をベースとしたミステリーで面白いというよりなんかパンチが強すぎて、上手く書けなかったのだ。

まだ消化不良の気分。

 

 

あの有名な横溝正史八つ墓村もこの事件を下敷きにつくっているのだが、龍臥亭事件の方が殺人犯の軌跡をなぞってもう一度大量殺人事件が起こる話ゆえ、事件をなぞると言う部分がほぼノンフィクションのようになっており、読む人を選ぶ。

 

 

逆に言うと八つ墓村くらい荒唐無稽というか、物語になってしまうとエンタメとして消化しやすいのだが。

 

まあ、そんな感じでなんと言っていいやらとなっていたこの糞詰まり気分を解消するために、本屋パトロールのご報告!

 

博多バスターミナル紀伊國屋書店にひさびさに出動!

 

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いま、この9割の本はやってますよね。

数字を持ち出すのが成功の秘訣なの?

 

 

結構前に見た目も9割って言うてたやん!

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ちなみに腸も9割らしい。

 

 

全部で何割やねん!


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こちらは紀伊國屋のキノベスコーナー

だるまさんがシリーズ、大好きだったなぁ。

 

だるまさんが

だるまさんが

Amazon

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こっちは大人向け。

 

 

今度の朝ドラの主人公になった牧野富三郎をフィーチャーしたコーナー

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雑草を積極的に食材に入れていきたい派の私としては、大変興味深い。


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あと、全然特集コーナーではないけどペットコーナーが充実しまくってて、密かにテンションがぶち上げた。
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猫とか犬だけではなく、鳥までもカバー!?

 

 

これってつまりTwitterとかけてるのだろうか。



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小説のコーナーも工夫を凝らした飾り付けがたくさんで、書店員さんの気概を感じる!

結局、漫画を一冊買ったきりだったけど大変充実した時間だった。

 

箱からはみ出した人たち「汝、星のごとく」

「流浪の月」で本屋大賞を受賞した凪良 ゆうの「汝、星のごとく」を読んだ。

 

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。


ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

 

 

そういえば、本屋大賞を取ったこっちもずいぶん面白かった。

 

ichi-z.com

 

「流浪の月」はある事件をきっかけとして、その後の人生が狂った人たちの物語。

人と人との関係性について考えられる話だった。
今まで私達が既知という箱に入れるからこそ落ち着いてられる関係、例えば「夫婦」とか「恋人」「男女」「親子」みたいなものからはみ出した時の生きづらさ。

読んでいてハラハラするので、ミステリーではないけれどサスペンス!という感じでっよかった。話題作なので映画化もされた模様。

 

 

gaga.ne.jp

 

 

汝、星のごとくも、「恋愛」「結婚」という箱からはみ出した者たちの物語だった。

 

エンディングとオープニングが同じ文章なのだが、物語を読みおわると180度捉え方が変わる。心憎いん演出。

 

 

瀬戸内海に浮かぶどこかの島。

島人たちはお互いをよく知り、よく助け、よく噂し、よく差別する。

 

「問題のある母親の子ども」として息苦しい思いを抱えながら出会った高校生の「あきみとかい」

 

ああココには自分の名前の前に「問題のある母親」というラベルが既に貼りついているという不幸があるのだね。

 

島を出て漫画家として成功する「かい」(男の子)と、母親の面倒を見るために島に残り就職をした「あきみ」(あきみ)。

 

成功する「かい」と、女性が出世する道筋がないような前時代的な会社で消耗してゆく「あきみ」。

 

お互いに、好きなのにうまく行かなくて分かれてしまうのだけど、結局最後はちょっと悲しいハッピーエンドで収まる。

 

一生に一度の恋をしったあきみはとっても清々しい思いを抱え、残りの人生を生きていく。島の人が何と言っても、どう思われようとも。

 

なにげに登場人物の中で一番「超人」なのは先生だろうと思う。

 

こんな恋愛はとてもじゃないけど手に負えないし、むしろ母親たちがだらしなさ過ぎてもうちょい頑張ってくれよ、とほんとに思う。

 

Audible(オーディブル)で聴けるのでぜひ!

(参考:AIが教える本の虫へのアドバイス

三面記事だからこその恐怖「三面記事小説」

1月というのに暖かい雨が降る日だった。

こんな日は出かけても濡れるし、家で大人しくしているのがいいのかもしれない。

それこそ、積読消費に励む。

 

というわけで、角田光代の「三面記事小説」を読んだ。

 

 

 

「私は殺人を依頼しました。恋人の妻を殺してほしいと頼みました…」誰もが滑り落ちるかもしれない、三面記事の向こうの世界。なぜ、姉夫婦の家は不気味な要塞のようになってしまったのか? 家出少年を軟禁する主婦の異常な執着心。「死んでしまえ」と担任の給食に薬物を混ぜる女子生徒。平穏な日常が音をたてて崩れてゆく瞬間のリアルな肌触り、追いつめられていく様子。現実の三面記事に書かれた、いわくありげな事件から著者が幻視した、6つの短篇。

 

この本は、三面記事に載るような、市井の人達が犯した事件が題材になっている。

 

実際には、数行しか掲載されないような事件を、作者角田光代が思う存分に息を吹き込んで、1つの物語に練り上げている。

 

もちろん想像なのだろうが、これを読んでしまっまっては、本当にこういう事件があり、これが真相に違いないと思う。

 

そのくらい、身に詰まる感じ。

 

第1話の死体の上に何十年も暮らした夫婦の話がいちばん怖い。

 

 

仲良かった姉が夫の浮気を心配している。

真剣に取り合わなかたら、少しこじれてしまい何年も疎遠になる。

 

それでも、思いある日訪ねてみると姉夫婦家を城壁のように囲い、庭に消毒薬をまき散らし、近づく町内の人に毒づくら完全に危ない人になっていた。

 

彼女は、そんな姉を哀れみつつ、  

 

自分は、旦那もとても忙しいながらも優しいし、郊外だけど自分好みの戸建てに住めている。なんて幸せなんだろう。

 

と、内心、姉よりマシ、と思っていたのだが、旦那の携帯を軽い気持ちで見てしまったことで、浮気、隠し子発覚、と衝撃の事実を知ってしまう。

 

 

えーん、ここが私的にはいちばん怖い!

 

旦那の携帯なんて、ホント見ないに越したことない。

 

知らなければ幸せなまま暮らせたものを…

 

全編にわたり、そういえばこんな事件あったような?

実際の事件をモチーフにしているのかな?

 

 

この話のオチはぜひ読んでいただきたい。

 

 

追記:調子に乗ってもしもアフェリエイトのかんたんリンク設定を貼っていたら、表示が崩れて大変なことになり、何回も書き直す。

 

やっぱり、HTMLをいじるのはちゃんとパソコンに向かってやるべし。

(寝床でスマホなどあるまじきなのですぞ。くさってもアフェリエイトなんだから。)

 

ichi-z.com

 

 

そ、そしてこれは、ジャルジャルの寝たまま就職面接に挑むコントじゃないかぁ~

 

 

youtu.be

 

かける言葉は「ありがとう」だけ「政治学者 PTA 会長になる」

オカケンこと岡田憲治の「政治学者 PTA 会長になる」を読んだ。

(よく考えたらすごい名前じゃない?憲法の憲に治めるって) 

 

 

最初に言わせてもらうと、この本めちゃくちゃよかった!

 

残念ながら我が子ら3人は小中合わせて15年間学校にお世話になったが、あと3ヶ月しか PTA 活動ができないのが残念に思えるほどだ。

 

あの、何年も嫌な気持ちでお付き合いしてきたPTAという活動についてガラッと気持ちが変わった。

 

私は割りとPTAだの子供会だの役員をやってしまうたちで、もはや好きでやってると思われているのだが・・・そんなわけあるか~い!!

 

毎回引き受けては一年間後悔の繰り返しよ!(友達は増えるのでそこは楽しいけど)

 

色々改善する必要がある組織だと思うけのよ、あの堅苦しさとか何も考えなさとかさ。

 

うちの子の学校なんて、PCがこないだWindows8だったのよ!(令和だぞ!)

しかもセキュリティが怖いからネットワークに接続禁止とゆう・・・

 

先代会長が捨てろーーーって叫んだらしい(捨てなかった)

 

 

おかげで、データはUSBで手渡し、印刷のためだけにPTA会議室に行くなんて愚かしいことがこの令和の世にまだ横行しているのである。

 

とにかく、無駄なことが多すぎて蕁麻疹が出そうだったわ・・・

 

そこ、節約するぅ~っていう謎のしきたりも多かった。

いや、私達の時給をゼロ円だと思ってないか!といつもぷんすかしてた私。

 

PTAのDX化とか儲かりそうだけどね~

 

さて、うちの子が通う学校もオカケンの学校と同じく「ポイント制」を導入している。

 

このポイント制について簡単に説明すると、

 

・子供一人当たり3ポイント取得しなくてはならない

・1年間委員さんをすると1ポイントゲット、委員長なら2ポイント、役員4ポイント・・・

 

ちなみにうちは子供が3人なので全員が卒業するまでに9ポイント取得しなくてはいけない。

 

委員さんしかしてないと、9年間やならければならない。(もうプロだね、プロのPTA)

 

プロってなんだ。PTAは完全なるボランティアだ!

 

でも、この本でオカケンは「~しなくてはいけない」と考えること自体がおかしいと言っているのだ。

 

そもそも PTA活動はボランティアなのだから、しなくてはならないと義務感でやるものではないし、

ポイントみたいに全員が平等に痛み分け、みたいな考え方はよくないというのだ。

 

確かにポイント制になっても保護者の皆の不満は尽きない。

 

なんと PTA 活動は、戦後の専業主婦で社会に出たことがない女性のために、社会活動の勉強の場として提供されたものらしい。

 

・・・まじかよ。だから先生たちがあんなにえばってるんか。

 

現在は半数以上の人が何らかの仕事を持っている。

 

なんなら世間が狭い先生達に社会とは、を教えてあげたいくらいだ。

 

もう時代が変わったから、わざわざ勉強の場をご用意して頂く必要もないんですが・・・

 

まあ、PTAの役割は時代ともに変わってくるべきで、きっと変わってるんだろうけど。

 

オカケンはそこに「政治学の学者」としてよりは

「結構遅く生まれた子のかなり年のいった男性保護者」で

「お母さんたちと一時間井戸端会議ができる稀有な存在」として関わっていく。

 

学者の知見と(多分書いてはないけど賢さ)と、一時間井戸端会議ができるコミュニケーション能力で、3年の任期の間ひとつひとつ問題を片付けながら進めていく。

 

こうあるべきという理想をもちつつも、やってみたらママたちはこれが良かった。

みたいに、一つ一つ落としどころを探しながら進んでいく様子は、さながらクエストゲームのようだ。

 

任期終了の間際、地域のPTA連合から脱退する大仕事を最後の仕事にしようと頑張るが、女房役の副会長に強く反対されてしまう。

 

オカケンも最初は

 

「どうしてお前はいつもブレーキばかり踏んで味方してくれないんだ、この保守派め」

 

とへそを曲げてしまうのだが、副会長は

 

「PTAの仕事は持続的に続けなければならない。オカケンだからやれた、じゃダメなんだ。誰がやってもできるようにするべきだし、次の人をもっと信用するべきだ。」

 

と諭されてしまう。

 

この副会長も素敵。

 

いやーーほんと、この本は PtAの役員が回ってきて苦しんでいる人たち全員に読んでほしい。

 

PTA役員さんへの言葉は「ありがとう」だけでいいのだ。

批判はいらない。だってボランティアだから。

 

もっと早く出会えていたらもう少しポジティブな気持ちでPTAの活動に参加できたかもと思う。

 

なんだかんだいいつつ、PTAの活動なんてとバカにしている人も多いが、誰かがやってくれているから、回ってるんだからほんと感謝しかないなー

 

政治学者、PTA会長になる」はAudible(オーディブル)でも読めるので、ぜひぜひ!

 

 

 

 

 

ハッシュタグ#ある朝殺人犯になっていた

藤井清美の「#ある朝殺人犯になっていた」を読んだ。

 

タイトルに#(ハッシュタグ)がついてるなんて面白い。

 

売れない芸人「浮気(浮気と書いてうきと読む)淳弥」28歳が、

知らぬ間にSNSで大炎上、10年前の幼稚園児ひき逃げ事件の犯人にされてしまう話。

 

確かに淳弥は、ちゃんとした人間とは言えないかもしれない。

でも、芸人になるという夢を捨てずにバイトしながら舞台に立つ、真っ当な下積み生活を送っていた。

 

それなのに、朝起きたらツイッター上で「こいつが犯人じゃない?」と

顔をさらされるは、特定班に住所は調べられるは、

しまいには実家の家族まで写真を載せられ、段々と追い込まれていく。

 

きっかけは、本当に些細なこと。「え、そんな事件あったっけ?」と聞いただけ。

 

本当にすっかり忘れていただけだし、何ならすぐに思い出したんだけど世間からは

 

あの事件を(しかも実家の近くで起こった事件なのに)忘れたなんて信じられない。

 

と・・・

 

ちょっとした火種に油を掛けに掛けて炎上させたやつがいるのだ。

 

徐々に迫る顔の見えないネット民達の攻撃に疑心暗鬼になり、色んな人を疑う淳弥。

そして、過去に発言した事をいちいちあげつらわれる恐怖。

 

なんであんなこと言っちゃったんだ、俺。

どうして、その部分だけ切り取って上げるんだ?

 

だれだって、淳弥と同じくらいのやらかしはあるだろうし、

いつもいつも正しい選択ばかりしているわけではない。

 

一旦炎上したらそう簡単に火を消すことができないという、じわじわ追い詰められる様子がこわすぎて、途中で読むのをやめたくなってしまった。

 

SNS怖いと言われるゆえんって、これだわね。

 

ネットの世界のことだから、見なければいいんでしょという年代には想像ができない恐怖。

 

最後は、「真犯人を捕まえる」しか道がないと、ライブ配信でネット民の集合知を総動員して犯人を追い詰める。

 

よかった!面白かった!最後にライバルの漫才師たちが協力して芝居を打ってくれるところもじんと来ちゃったよ。

 

淳弥の相方も、なかなかいいオトコなのよ。

怖い怖い、と書いたけどお笑い芸人淳弥のひとり語りで話が進むので、全体的に軽い語り口。ユーモアもあるしね。

オススメ。

 

この本、Audible(オーディブル)で読めます~オススメ。

 

今年流行りのもう一冊のハッシュタグ本。

SNSの怖さにまつわるこちらも実はもう読んだので、後で感想上げる予定。

 

 

 

最終話だけだけど、まるまる読めます。

正直後味悪い系。ことしのこのミス13位だよ。