オカケンこと岡田憲治の「政治学者 PTA 会長になる」を読んだ。
(よく考えたらすごい名前じゃない?憲法の憲に治めるって)
最初に言わせてもらうと、この本めちゃくちゃよかった!
残念ながら我が子ら3人は小中合わせて15年間学校にお世話になったが、あと3ヶ月しか PTA 活動ができないのが残念に思えるほどだ。
あの、何年も嫌な気持ちでお付き合いしてきたPTAという活動についてガラッと気持ちが変わった。
私は割りとPTAだの子供会だの役員をやってしまうたちで、もはや好きでやってると思われているのだが・・・そんなわけあるか~い!!
毎回引き受けては一年間後悔の繰り返しよ!(友達は増えるのでそこは楽しいけど)
色々改善する必要がある組織だと思うけのよ、あの堅苦しさとか何も考えなさとかさ。
うちの子の学校なんて、PCがこないだWindows8だったのよ!(令和だぞ!)
しかもセキュリティが怖いからネットワークに接続禁止とゆう・・・
先代会長が捨てろーーーって叫んだらしい(捨てなかった)
おかげで、データはUSBで手渡し、印刷のためだけにPTA会議室に行くなんて愚かしいことがこの令和の世にまだ横行しているのである。
とにかく、無駄なことが多すぎて蕁麻疹が出そうだったわ・・・
そこ、節約するぅ~っていう謎のしきたりも多かった。
いや、私達の時給をゼロ円だと思ってないか!といつもぷんすかしてた私。
PTAのDX化とか儲かりそうだけどね~
さて、うちの子が通う学校もオカケンの学校と同じく「ポイント制」を導入している。
このポイント制について簡単に説明すると、
・子供一人当たり3ポイント取得しなくてはならない
・1年間委員さんをすると1ポイントゲット、委員長なら2ポイント、役員4ポイント・・・
ちなみにうちは子供が3人なので全員が卒業するまでに9ポイント取得しなくてはいけない。
委員さんしかしてないと、9年間やならければならない。(もうプロだね、プロのPTA)
プロってなんだ。PTAは完全なるボランティアだ!
でも、この本でオカケンは「~しなくてはいけない」と考えること自体がおかしいと言っているのだ。
そもそも PTA活動はボランティアなのだから、しなくてはならないと義務感でやるものではないし、
ポイントみたいに全員が平等に痛み分け、みたいな考え方はよくないというのだ。
確かにポイント制になっても保護者の皆の不満は尽きない。
なんと PTA 活動は、戦後の専業主婦で社会に出たことがない女性のために、社会活動の勉強の場として提供されたものらしい。
・・・まじかよ。だから先生たちがあんなにえばってるんか。
現在は半数以上の人が何らかの仕事を持っている。
なんなら世間が狭い先生達に社会とは、を教えてあげたいくらいだ。
もう時代が変わったから、わざわざ勉強の場をご用意して頂く必要もないんですが・・・
まあ、PTAの役割は時代ともに変わってくるべきで、きっと変わってるんだろうけど。
オカケンはそこに「政治学の学者」としてよりは
「結構遅く生まれた子のかなり年のいった男性保護者」で
「お母さんたちと一時間井戸端会議ができる稀有な存在」として関わっていく。
学者の知見と(多分書いてはないけど賢さ)と、一時間井戸端会議ができるコミュニケーション能力で、3年の任期の間ひとつひとつ問題を片付けながら進めていく。
こうあるべきという理想をもちつつも、やってみたらママたちはこれが良かった。
みたいに、一つ一つ落としどころを探しながら進んでいく様子は、さながらクエストゲームのようだ。
任期終了の間際、地域のPTA連合から脱退する大仕事を最後の仕事にしようと頑張るが、女房役の副会長に強く反対されてしまう。
オカケンも最初は
「どうしてお前はいつもブレーキばかり踏んで味方してくれないんだ、この保守派め」
とへそを曲げてしまうのだが、副会長は
「PTAの仕事は持続的に続けなければならない。オカケンだからやれた、じゃダメなんだ。誰がやってもできるようにするべきだし、次の人をもっと信用するべきだ。」
と諭されてしまう。
この副会長も素敵。
いやーーほんと、この本は PtAの役員が回ってきて苦しんでいる人たち全員に読んでほしい。
PTA役員さんへの言葉は「ありがとう」だけでいいのだ。
批判はいらない。だってボランティアだから。
もっと早く出会えていたらもう少しポジティブな気持ちでPTAの活動に参加できたかもと思う。
なんだかんだいいつつ、PTAの活動なんてとバカにしている人も多いが、誰かがやってくれているから、回ってるんだからほんと感謝しかないなー
「政治学者、PTA会長になる」はAudible(オーディブル)でも読めるので、ぜひぜひ!