橘玲の「バカと無知~人間、この不都合な生きもの~」を読んだ。
正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だ。しかし、希望がないわけではない。一人でも多くの人が人間の本性、すなわち自分の内なる「バカと無知」に気づき、多少なりとも言動に注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるはずだ。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。
かなりインパクトのあるこのタイトル、これを読んでることを知られたくないというか読んでる奴の勘違い?みたいな恥ずかしさはある・・・
過激なタイトルで話題の新書だが、確かに内容はのっけから飛ばしている。
正義は最大の娯楽である
度々おこるネット上での袋叩き。
何もそこまで叩かれるほどのことなのか、自分は何一つ被害を受けてにも関わらず、ここぞとばかりに言葉で攻撃をしてくる・・・・
とここまで書いたところで、そう言われてみれば私炎上したことも炎上に加わったことがなかったわ。
もしかしたら SNS の炎上も都市伝説みたいなもんで、ごく一部の人しか体験してないのかも。なにせ見てないしな。
10年後には、おばあちゃんが若い頃にはそういうこともあったんじゃって言ってるかも。というかなってたらいいな。じゃ、は使わんけど。
以下は目次の引用
PARTⅠ 正義は最大の娯楽である
PARTⅡ バカと無知
PARTⅢ やっかいな自尊心
PARTⅣ 「差別と偏見」の迷宮
PARTⅤ すべての記憶は「偽物」である
バカは自分がバカだとわからない
特にPARTⅡ バカと無知が面白かった。
あ、そういうことか!思うと同時に、この本を読んで「そういうことか!」と思ってる私がバカなのかもしれず、かなり迷宮入りしてしまう。
利口な人は、他の人も自分と同じくらいと思っており、バカは自分が利口と思っているので表面上は「利口と利口」の話し合いになり、利口さんは、利口のフリしたバカの意見を尊重し、バカは自分の意見が間違っていると思わないので、バカと利口が熟議するとコイントスで結果決めたほうがよほどましなくらい残念な結果になるらしい。
じゃあ、もう利口が決めたら良いやんってなるけど、要するにそれが民主主義ではなくて独裁主義になりかねぬので言えない・・・
言ってはいけない、こんなこと
- ほめて伸ばそうとすると落第する
- 強く願うと夢はかなわなくなる
- 「偏見をもつな」という教育が偏見を強める
- 共同体のあたたかさは排除から生まれる
どれもこれも、本一冊かけそうなほどいろいろ言われてることである。
褒めて育てろ!とか褒められて伸びるタイプですとか。
なんで?と思った方はいつの間にかKindle UnlimitedにもAudibleにも入っているのでぜひ、よんでほしい。
カンタンに言うと、褒めるという「脳への報酬」を事前に与えてしまうと満足して、特に努力しなくなるそうな。
おせーよ。通りでうちの子、結構褒めたのに伸びないわけだわ。やり直したいし!
ちなみに、サブタイトル「~人間、この不都合な生きもの~」となっているのは、この本が人間の進化と脳科学の観点から書かれているかららしい。
サバンナで生きていた頃の私達は急速に進化を遂げたが、脳の方は文化に追いついていたないので、100人程度のコミュニティで生きてきた頃と同じ不合理なことをやってしまう。
生殖のためにはライバルを出し抜きたいが、コミュニティで生きていくためには表面上は協力しないといけない(ので裏で謀略をはりめぐらす)これが、性根に叩き込まれているのが私達人間~この不都合な生きもの~ってことらしい。
まとめ
人間の本性や行動の背後にある科学的な真実が面白いこの本。一見正しく見える行動がどのように自己利益に繋がるかがわかる。バカも利口も知ってたほうがいいかもよ。
次に読みたい本
バカとアホの違いは何でしょうね~
なんとなく使い分けはありそうだけど、これ日本語学習中の外国人に違い聞かれたら苦戦しそう。