「流浪の月」で本屋大賞を受賞した凪良 ゆうの「汝、星のごとく」を読んだ。
その愛は、あまりにも切ない。
正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。
ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。
ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
そういえば、本屋大賞を取ったこっちもずいぶん面白かった。
「流浪の月」はある事件をきっかけとして、その後の人生が狂った人たちの物語。
人と人との関係性について考えられる話だった。
今まで私達が既知という箱に入れるからこそ落ち着いてられる関係、例えば「夫婦」とか「恋人」「男女」「親子」みたいなものからはみ出した時の生きづらさ。
読んでいてハラハラするので、ミステリーではないけれどサスペンス!という感じでっよかった。話題作なので映画化もされた模様。
汝、星のごとくも、「恋愛」「結婚」という箱からはみ出した者たちの物語だった。
エンディングとオープニングが同じ文章なのだが、物語を読みおわると180度捉え方が変わる。心憎いん演出。
瀬戸内海に浮かぶどこかの島。
島人たちはお互いをよく知り、よく助け、よく噂し、よく差別する。
「問題のある母親の子ども」として息苦しい思いを抱えながら出会った高校生の「あきみとかい」
ああココには自分の名前の前に「問題のある母親」というラベルが既に貼りついているという不幸があるのだね。
島を出て漫画家として成功する「かい」(男の子)と、母親の面倒を見るために島に残り就職をした「あきみ」(あきみ)。
成功する「かい」と、女性が出世する道筋がないような前時代的な会社で消耗してゆく「あきみ」。
お互いに、好きなのにうまく行かなくて分かれてしまうのだけど、結局最後はちょっと悲しいハッピーエンドで収まる。
一生に一度の恋をしったあきみはとっても清々しい思いを抱え、残りの人生を生きていく。島の人が何と言っても、どう思われようとも。
なにげに登場人物の中で一番「超人」なのは先生だろうと思う。
こんな恋愛はとてもじゃないけど手に負えないし、むしろ母親たちがだらしなさ過ぎてもうちょい頑張ってくれよ、とほんとに思う。
Audible(オーディブル)で聴けるのでぜひ!
(参考:AIが教える本の虫へのアドバイス)