今日は満月。中秋の名月は昨日だが満月は今日らしい。
残念ながら雲に隠れて見えないが、この季節の月はチーズのように黄色のはなぜだろう。
今日は趣向を変えて読み聞かせてもらえる怪談の魅力を伝えたい。
茶碗の中
ナレーター:鬼城院護
強そうな名前のナレータだが、落ち着いたいわゆる渋いおじさん声である。
え、そこでおわるの?といったところで終わるのだが、八雲はわざとここでこの話を打ち切ったんだろうと思う。そう考えるとそこはかとなくおかしみもある。
茶碗のお茶の中に自分ではない人影が映ったが、気にしないで飲み下してしまう。
その夜、茶碗の中に映ったものとそっくりの男が訪ねてくるが、豪胆な主人公はおもむろに成敗してしまう。幽靈じゃなかったらだいぶヤバい。
怖いというより、不思議な話。
雪女
ナレーター:ルフラン
生き残る若い男の名前、みんな言えますか?
正解は「みのきち」
ラジオドラマ仕立てで、効果音が入っております。雪女ボイスが冷え冷えとする。
「言ったら私にわかります。覚えてらっしゃい」
暑いので引っ張りだこの雪女 心の俳句
怖くておもしろい 日本の名作怪談劇場 撰集 深縹
ナレーター:城谷歩
怪談師として大活躍の「城谷歩」が小泉八雲の名作を情感たっぷりに読み上げる。
こちらもラジオドラマ仕立てで効果音つき。
いや、やっぱりこの人上手だわ。三つ立て続けに聞いてみると頭一つ抜け出ているのがわかる。
四つの話のうち読んだことがない「食人鬼(しきじんき)」を読んだ。
旅の僧が道に迷って困っていた。たまたま見つけた山寺に一夜の宿を頼んだが、けんもほろろに断られてしまう。
仕方がなく、村まで出て明かりがついている一軒に頼むと具合が悪いことにちょうど家主亡くなった家であった。
この村では死人が出たらその晩は村から出ねばならない風習がある。
僧はなにが起こるか解らないが、仏に仕える身として家に残っておとむらいしましょうと申し出る。
読経をしながら待っていくとなにか黒くて恐ろしいものが現れて、亡骸を食い尽くししまった。
なぜあなた方はこのように亡骸を放置して、お寺に葬式を頼まないのか?
聞くと、村の近くに寺などないのだという。
おや、自分が最初に訪れて泊まるのを断られたあの寺があるじゃないか、と言ってみるが、村人達はそんな寺などないと言い張る。
気になってしょうがない旅の僧は、もう一度来るときに通りかかった寺へ行っててみる。やはり先日の寺があり、宿泊を断った年寄りの僧もいる。
老僧は言う。
「全くもってお恥ずかしい。わたしはもう長いこと人の肉をくらう食人鬼としてここにいるのです。できればあなたに施餓鬼の供養をしていただきたい・・・」
ふと気がつくと、老僧も寺も消えていた。
人の肉を食らうという食人鬼というお話。
同じ作家の本でも読む人によってこんなに印象が違うんだ~
どれも短い話ばかりなので、ぜひ皆さんもきいてみて~
次に読みたい本
さて、ただいま絶賛ムネアツSF「プロジェクトヘイル・メアリー」を読んでおり、なにせ上下巻ガッツリあるのでなかなか読み終わらない。
なんだろう、主人公のグレースが本当にいいヤツで例えて言うなら「おひさま」みたいな性格何だよなー