原田ひ香の「人生オークション」を読んだ。
「三千円の使いかた」が大ヒットしたので読んでみたいと思いつつなかなか手が出なかった。
一種独特なジャンルを得意としている(たぶん)節約系?損しない系?これ知らないと損です系?
なんてちょっと失礼な気持ちで見ていた。
人生オークションは、表題作「人生オークション」と「あめよび」という2つの短編からなる本。
人生オークション
就職しなかった主人公が、前科がついてしまった(厳密にはきそされてはいない)叔母の再生を手伝うはなし。
最初は、不倫をして相手方の配偶者と揉めて警察沙汰隣になり、自分の夫からも離婚を突きつけられて働きもしない叔母を心から軽蔑していたのだが、彼女の荷物整理をしながら、徐々に仲良くなっていく。若い頃購入した大量のブランドバックなどをヤフーオークションに出してみるのだが、工夫を凝らして売るのが楽しくなって、意気投合してしまう。
作中で、叔母がアガサ・クリスティー全巻を古本屋に売ってしまうのだが、「これだけは手元に残しておくわ」と言ったのが唯一人が死なないと言われている「春にして君と別れ」だったのだ。
叔母と自分との好みが同じでドギマギする主人公。私もクリスティで一冊となったらこれかも・・・
過去記事探してびっくり。16年も前の記事・・・時が経つのが早すぎてビビる。
もしかして私タイムスリップしたのかもしれん。
あめよび
ラジオ番組のハガキ職人の彼氏を持つメガネ屋店員の女性の話。
ハガキ職人のステップアップ先が放送作家とかライターなのは納得が行く。
むしろ、放送作家って謎に包まれているけどハガキ職人の出世形態だったのか。
たいとるはひらがなで書かれるとピントこないが、野球番組などが雨で放送できないときにながず特別番組のことだ。
一次はあめよびの番組を任されるくらいまで頑張った彼氏は、結局雨がふらず放映もされず、今日もバイト生活。
彼氏がバイトでも全然気にしない、結婚したい彼女はあの手この手で結婚を迫るのだが、結局優しいだけでスキだよかわいいよと言いつつも「誰かと暮らすことはできない」と頑なに拒み続ける。
結婚に執着するのもあれだけど「一人でいること」に執着しすぎるのも何だが残念な気がする。
価値観の違いで別れるってよく聞くけど、こんなにも価値観が違うだけでお互いまだスキのママ別れるカップルも珍しいかも。
キーワードとして「忌み名」が出てくる。
親と、自分と、結婚相手にしか教えない秘密の本当の名前。
残念がら私には公の名前しかないし配偶者からもそんな話はなかったが、今でも日本に忌み名を持つ家系が存在しているんだって。
ということでホンマかいなと思いウィキペディアを調べて見たがあまりにもボリュームがあリ過ぎて、該当の部分が見当たらなかった。
もしかしたらウィキペディアじゃなくて2チャンネルのオカルト板とかに書いてあるのかも知れない
(と通ぶって書いてみたが、実はそんなものは見に行ったことがない。)
こういう話は大好物だ。最後は、別れてしまったのに忌み名を送られてしまう。
うーんこれ、もはや迷惑行為やなー