クノタチホの「コンプルックス」を読んだ。
ただでさえ目を引く表紙だが、紹介文に書かれているのは「女装心理カウンセラーが書くルッキズム小説」とある。
しょーもないタイトルを付けてしまったが、「ルッキズム小説」という分野ができているのか~
さて、ルッキズム。最近ちらほら耳にする言葉だがきちんと調べたことがなかったので調べてみた。
ルッキズム(英: lookism)とは外見重視主義。
外見を重視する考え方。「look(外見)+ism(主義)=lookism」であり、外見至上主義、美貌差別、外見差別、外見を重視する価値観などとも呼ばれる。
「容姿の良い人物を高く評価する」「容姿が魅力的でないと判断した人物を雑に扱う」など、外見に基づく蔑視を意味する場合もある。
外見重視主義者をルッキスト(lookist)と呼ぶ。
なんとなく、ブスとか美人とか言っちゃダメよ、ってことでぬるい理解しかしていないけどOK?
これは都市伝説かもしれないが、最近は履歴書に写真添付を強要してはいけないらしい。
とは言え、本当に貼ってないと何やら主義があるめんどくさい(失礼!)人感がでそうな気がするけど、とおもっていたら、内の会社に応募してくる人にもたまにいる。
たしかにもし私がいまから履歴書を書くなら、ルッキズムに反対する意思を込めて(いるように見せかけてめんどくさいから)写真添付拒否だ。
でも、これはこれで中身のみで勝負になってくるのでなかなか大変そうな気はするね。
この小説も、自分の容姿にコンプレックスをかかえた二人の女性が、自分が超美人だったらどうなるか鏡のなかの世界で体験するストーリー。
自分の容姿がゴリラ顔だと、結婚できるだけでありがたいと思わなきゃダメだと思っていた女性は、婚約者から「君が美味しそうにご飯を食べるところに惚れたんだ」と言われても全く信じられない。
むしろ、見た目を気にしない俺っていいやつだろ、と周りに吹聴するための道具にされているんじゃないか、とすら思っている。(かなりのひねくれ具合)
そんな彼女が些細なことから彼と喧嘩をして、自分が超絶美形である世界にいったら・・・
なんとそこでも同じようにハイスペックな男性に婚約破棄をされていたのだった。
なぜ?美人であれば幸せになれるとおもっていたのに・・・ということから気づきを得る物語。
彼女は無事に元の世界にもどってゴリラ顔のママ愛してくれれていた婚約者とヨリを戻すのでした。という、なんだかとても安心して読める物語。
もう一つのエピソードも然り。ありのままの自分を愛そう、をコンセプトに活動してた心理カウンセラーが実は自分の容姿を気にしてて「私は容姿をではなく中身が美しいから」逆に「美人なんて結局」と美人差別をしていたことに気づく、というストーリー。
そして最後は整形手術をしてしまうのでちょっと、え?ってなる。
なったけどこれはこれで、彼女が自分の容姿にこだわる自分からの脱却の方法のひとつだったとかんがえれば正しいのかも。
私達はどうしても幼いころから容姿のせいでいろいろな目に合う。
ブスはブスで心無いことを言われることも多いけど、美しくあればあるで「頭悪そう、性格悪そう」というやはりやっかみまじりの見かけで判断をされるのだ。
美人で成績もよくてしかも超絶いい人だったら、友達として身につまされるし、なんか一つくらい悪いところあるでしょうと意地悪な目を光らせてしまう。これ、私だけではないはずだ。
この世に自分ただ一人存在している手塚治虫「不死鳥」のような世界じゃない限り、人間の数だけ比較が生じて、優劣を決めようとする心も湧いてくる。
なかなか人の世は生きづらい。
でも、ルッキズムに苦しむのも自分だが克服するのもまた自分でしかありえないのだ。そんなことにゆる~く気づかせてくれる小説。
女装家心理カウンセラーが挑む、ルッキズム小説。
読み終えた時、鏡に映る自分の顔が違って見える!
「読み終えた時、鏡に映る自分の顔が違って見える!」
と反響の声、続々!
承認欲求、カースト、婚活難民、美容整形……
なぜ人は「美しさ」から逃れられないのか?
美容室・ナルシスの鏡に置かれているのは、
一見、何の変哲もない鏡。
しかしそれは容姿に絶望した人が覗くと
一瞬で、誰もが振りむく姿になれるという
不思議なチカラを宿した鏡でした。
ただし、その姿はあくまでも仮想現実。
そして、「66日を過ぎてもなお
仮想現実の中で生きることを決めると、
元の世界でのその人物の存在は消える」
といういわくつきの鏡だったのです。
この物語の主人公は、
自身の容姿に絶望した2人の女性。
誘き寄せられるように
美容室・ナルシスの鏡へとやってきました。
果たして彼女たちが選択する未来とは――――。
女装家心理カウンセラーが挑む、ルッキズム小説。
衝撃のラストに、涙する人続出。
それにしても、カウンセラーが女装する必要って?と思って著者の紹介を見てみたら、どうやら100人以上の男女と関係を持ったことがあるバイセクシャルで男の気持ちも女の気持もわかる、らしい。
ふへぇ。としか言いようがない。
次に読みたい本