高野さんは「あだ名」付けの天才だ。(ちょっと前にそういう芸人さんがいたけど)ほんと絶妙な名づけは思わず膝を打つ。
ちなみに前回、初高野秀行で読んだ本は「ミャンマーの柳生一族」という、一見何で?としか言いようのないタイトルだったのにめちゃくちゃ笑わせてもらった。
今回も、アジア、新聞、屋台村・・・why?ってなるが、まず表紙イラストの台湾の美人社長(無茶苦茶パワフル)のリーさん。
リーさんは、日本で働いてみて女性には出世する道がほとんどないに等しいことを知る。
そこで、いきなり自分で会社を立てればいきなり社長になれる!と勢いで企業。
そして、はたから見るだけではなく本質的に行き当たりばったりでアジア各国向けの新聞を発行してゆく。
例えば、ネパール向けの新聞を発行してみてダメだったら発行をやめる、という感じでどんどんいろんな人を雇ってみたり、雇われた人々もそりゃまーしたたかに、自分のために働くと行ってはばからない人々ばかり。
高野さんは、たまたまコラムを頼まれて、自由すぎる職場の余りの衝撃に速攻で自分も仲間に入れてもらう。
そのあと、すったもんだありながら韓国美女といい感じになりかけたのに、勇気がないばかりに帰国されたり、海外遠征から帰ってきたらポストを別のエリートぽい日本人に奪われていたり、いろんな事件か持ち上がるのだが、本当に登場人物全てがパワフルで無軌道!
高野さんも大概な方とお見受けするが、上回るパワー。
一番面白かったのは、石油、輸入しない?かな。
副業でなんかいい仕事ないかなー?と高野さんもが聞いたら、石油。
さしもの彼も個人輸入の起業を一瞬で断念。
なんか、小さくまとまってはいかんな、お思い知らされた本。
小さなことで悩むんでる日本人たちにおススメ!
ワセダの三畳間に沈没するライターのタカノ青年は、台湾の美人社長に見込まれ、なぜか多国籍新聞社の編集顧問に就任。勇み立ったはいいが、アジア各国のツワモノたちに翻弄され、たちまちハチャメチャな屋台的世界に突っ込んで行く。果たして彼と新聞社の未来は? 在日アジア人と日本人の夢と現実を痛快に描く自伝的トーキョー青春物語。『ワセダ三畳青春記』『異国トーキョー漂流記』の姉妹篇。