横溝正史の「幻の女」を読んだ。
相変わらず素晴らしい表紙絵。めちゃくちゃ唇かんでて、超悔しそう・・・
血しぶきもすごい!
「人殺し!」叫び声を聞いた俊助は部屋に飛びこみ、浴室のカーテンをまくり上げた。瞬間、彼はその場に立ちすくんだ。浴槽には胸を抉られ、鮮血を滴らせる女が浮かんでいたのだ! 全米を震撼させた殺人鬼「幻の女」が日本へ上陸との知らせを受けた敏腕記者三津木俊助は、早速真相究明に乗り出した。だがその直後、彼女の仕業と思われる殺人事件に巻きこまれてしまった……。由利先生と三津木俊助の名コンビが凶悪な女殺人鬼と対決。探偵小説の醍醐味を満喫させる傑作、ほか二篇収録。
妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった! 迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか? 最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。
本家(ウイリアムアイリッシュ)とずいぶん違う、というか、同じだったらさすがによろしくないのだが、同じような話が実は別のタイトルで書かれている。
こちらの話は、だいぶん本家に近い。
しかし、やっぱり本家は未読・・・ てへ。
いま、kindleで 春のハヤカワ電子書籍祭(4/13まで)をやっているので、買うべきか?
・・・と巡回していてついこちらを購入してしまった。だってこっちのほうが読みたかったんだもん!そのうち感想を書きます。
さて、横溝正史の「幻の女」に時を戻そう。
以下3篇からなる短編集
幻の女
幻の女というからには儚げが美女かと思いきや、アメリカから帰ってきた
「人を殺すことを大根を切ることと同じくらいにしか思わぬファントムウーマン」だそうで・・・これだけ聞くとゴリエちゃんみたいなの想像しますけども、実際には妙齢の美女から、品の悪いお嬢様、品のいいシンデレラガールなどいろんな女が出てきます。
推理小説というよりは、ノリと勢いの冒険活劇という感じで楽しめた。
の方のレビューで見たのだが、由利先生が地味!うむ、確かに。
なんでも、由利先生は金田一耕助の出現により、書かなくなったというよりとってかわられたらしい。
確かにどちらかというと、敏腕新聞記者・三津木俊介のほうが目立っている。
カルメンの死
おお、まったくもって記憶にないので読み返した。
蝶々殺人事件と登場人物が被る?オペラ界の男女のもつれから始まる殺人事件。
ビジュアル的には、箱詰めの花嫁衣装の死体とか派手で素晴らしい!
この話、なんかデジャブと思ったらコミカライズされたものを持っていた。ザ、昭和の劇画って感じですな。
こちらは由利先生、いいとこ見せてます。
そして!等々力警部も出てきます。
猿と死美人
またでたな、死美人!しかも今回は死んでない!瀕死の美人でした。
猿は○○のために用意されていた。
奸計にかけた、とはこういうやつをいうのでしょう。
こちらは三津木くん大活躍!
それにしても、敏腕花形新聞記者の彼が、特ダネを拾うのはわりと身近な人物のおかげが多いなー
この間は妹、次は恋人、今回は親友。
まさしく、三津木の周りに事件あり。江戸川コナンかーい!とツッコミたくなった。
春ともコロナとも全く関係なく、ひたすら自分の読みたいものだけ読んでいるこの頃。
ちなみに本日は、東京都の小池知事が不要不急の外出を避けるよう発表した日。
後で思い返して、あれ、ちょっと大げさだったよねと言えるといいなと思いつつ。