それにしても、谷崎潤一郎のタイトルを検索するとまあまあきわどいビデオとかヒットするのでじわっとくる。
卍
何年前だろうか、マジ卍という言葉が流行ったのは。
こちらの卍は、一文字のこの言葉がいわゆるよつどもえに絡まりあった男女関係を良く表している。
四人の男女(女2男2)が出てくるにも関わらず、なんと全員か一人の女性に執着をしてしまうのである。
一人は美しく我がままな女。
二人は一組の夫婦。
そして残りの一人は女の元彼(だがただのストーカー)
よくぞこんな関係を考え付いたと思う。
チョット引くヨネ・・・ここらへんが谷崎は変態なんじゃないか疑惑を・・・いや、文豪捕まえて・・・
おや、こんなマンガが。この表紙があらわしているように卍では「シスター」な関係も出てきます。
「秘密」
なんだかいろいろ面倒くさくなった男が、今まで違う場所に引き込んでだんだん女装を楽しみだすのだが、その女装した格好で昔の彼女をみつけ思わず、袂に逢引の手紙を入れてしまう。
彼女は驚くほどの秘密主義で、彼と会うときは必ず目隠しをして自分の家を絶対に明かさない。
男は、女装癖のことなどすっかり忘れて女にのめりこむが、
ある日どうしても知りたくなって数少ないヒントを頼りに彼女の家にたどり着いてしまう。
秘密が秘密でなくなったらすっかり冷めてしまう。みんなもわかるでしょ?みたいな話。
分かるような気もしなくもないけど、そもそも女装してるやつの言うことなんかに何のシンパシーも感じない。完全な偏見であるが。
いや、そもそもこの人その彼女との別れ方もひどいんだわ。いい感じに言ってるけど。
吉野葛
小説のようなエッセイのような、ほっこりするいい話だった。
そもそも小説のネタにと思っていた地方へ、旧友から誘われて旅に出る。
そこで、聞いた話は彼のもくろんでいた小説を作るのには足りないものだったが、それよりも一緒に行った旧友の母親探しの話が興味深い。
そして、話が彼の嫁とり物語になっていくあたりがほほえましくて、今でいうキュンです。だ。
この言葉も何年もつかわからんけど。
盛んに出てくる吉野は、なんて素敵にジャパネスクの吉野の君とので出会いの場でもある。
ひゃー懐かしい!!!
陰翳礼讃
これもエッセイぽい話。文豪になってしまった俺感がすごい。
(私もしかして谷崎の事嫌いなのかしらん・・・突っ込みが止まらんのよね)
どこでもここでも明るくしてしまったら、日本の美は失われてしまうのだ!という力説。
漆器に入ったご飯は薄暗いところで見るのが一番美しい、とか。
トイレ(厠って書いてたけど)は清潔でキリっとするくらい寒い方がいいとか。
注文がすごいけど、彼が家を建てたとき建築家が 陰翳礼讃を読んでることを知ってひそかに心配してたらしい。
ホントにあんなに薄暗い家を建てられたらどうしよう・・・と。
ま、そんなもんだよ!古き良き時代は懐かしんどくくらいがよろしいようで。
それにしても、どうせ読むならまとめてダウンロードできるこういうの買ってもいいかも、と思った。安いし。
で、この写真に毎回つまづくのである。書いている文章とのイメージの乖離・・・
これが文ストだとこうなる!
いや、何も言いますまい。