iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「天才はあきらめた」はあきらめてからやったことがすごかった

結婚報道の記憶も新しい南海キャンディーズの山ちゃんによる「天才はあきらめた」を読んだ。

 

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

 

 

自分でも何回もクズだクズだと書いているが、本当にクズっぷりを隠さないのでびっくり。
彼に対して良いイメージも悪いイメージも持っていなかったが、この本を読んで少し好きに傾いたよ。

面白いネタ本ではなくどちらかというと自己啓発本

 

自分は天才ではない。

 

結構幼いころからそれに気づいた彼は、天才でもイケメンでもない自分が、お笑いでステージ上に立つためにどうしたらいいか、徹底的に、それこそ本当にくそ真面目に取り組んできた。

 

圧倒的努力

 

人を笑わすってそんなに勉強することがあるんだ、という軽い驚き。

いや、簡単な仕事ではないとは思っていたけれど、彼の努力の仕方は本当に真摯というかガリ勉君のよう。

 

言われて悔しかったことをガソリンにして頑張る。
これだけ書くといい子ちゃんな感じだが、その前に書かれた嫉妬や怨嗟の開示が素晴らしいので全く嫌みがない。

 

それにしても、相方しずちゃんに対する思いとかはよくぞ書いたなと思う。
何をしても人気が出るしずちゃんに最初は「努力もしていないのに」と、ものすごいジェラシーだったそうだ。

しずちゃんのキャラありきで始めた漫才だったのに、そのことを忘れ、いかに相方が面白くないか証明しようとしている自分。

 

書いちゃうとほんとクズだけど、そこを乗り越えていい関係を築けているからこそ書けたのだろう。

 

今の彼は、「しずちゃんへの感謝を忘れないようにちゃんと口に出す」ようにしているそう。

 

・・・いいやつだな、おい。

ラジオでそうとう人の悪口言ってるけどあれはそういう芸なのだな。

 

 

面白い本かと思っていたけど最後単独ライブのステージに上がるシーンでホロリ。

読むまでは「面白い本なのかな~」と思っていたが、どっこい結構まじめな自叙伝。

まさか泣くとは。

 

オードリー若林の解説もよかった。

 

自分には才能がない、と努力をやめてしまった(私を含む)すべての方におススメ!