iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

最近面白かったのは「抒情の奇妙な冒険」ほか

最近自分の読んだ本のご紹介がずっとご無沙汰してました。

読んだ端から忘れちゃうんで、忘れないように始めたブログだったのに・・・

ブログにアップするのをわすれてちゃー意味がない。にんともかんとも、とハットリ君ならいうでしょう。

この「抒情の奇妙な冒険」もちろん、「ジョジョの奇妙な冒険」とかかっているんですが、短歌集です。

抒情の奇妙な冒険 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者:笹 公人

抒情の奇妙な冒険 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

短歌なんて・・・と思ってる方にむしろぜひ手にとって見てほしい。R35世代に焦点を合わせた、サブカルチャー風味の短歌がたくさん並びます。

例えば

持ち出した箪笥を黒に塗りたくりYMOを演(や)る文化祭

(9.11)

他人事と思えばもう一度起こるぞよ 塔の模型に祈る人々

フセインをマリオに見立てたゲームせし兄のパソコンにウィルス届く

こんな感じで、教科書に載っていた「短歌」とはちょっと違います[E:wink]

なかでも私が、思わずひざを叩いたのはこちら。

さめざめと友と泣きたる秘密基地 九九年に寿命さだめて

そうそうそう!小学生にはびこる「どうせ1999年に地球は滅んじゃうじゃん!」みたいなプチ厭世観。 いいにおいの消しゴムも、りぼんの付録も使わなきゃって。

ああーなっつかし~!!!

作者の笹公人さんは、これが私と同年代でこれが第三歌集。

こんなブログもされています。(ブログは”されている”であってる[E:catface]?)

笹短歌ドットコム  おもしろいよ~

それから、短歌つながりでもう一冊。

現実入門

著者:穂村 弘

現実入門

わたし、この方の歌集よりエッセイの方がすきなんです。

実際にコンピューター会社の総務部の課長しつつ、歌人。っていうプロフィールも好感が持てます。

この本は、編集者の佐久間さんとう美しい女性からエッセイの依頼があり

「いままでほかの人にとっては当たり前でも穂村 さんにとっては初めてのことをしましょう」

と言うコンセプトで、エッセイを書いていきます。

ホムラさんは「ほんとにみんなこんなことを!?」と汗をかきながら取材してくれます。

例えば(佐久間さんと二人で行く)「ハワイアンセンター」だったり「はとバスツアー」だったり「合コン」だったりしたものが、

だんだん「ウェディング会場で模擬挙式を見る」だったり、「モデルハウス見学」「家を借りる」・・・とある意味濃く意味深なものになっていき、

最後は佐久間さんのご両親に挨拶に行き・・・で終わる。ホントかよ!とつっこんだところでちゃんと、あとがきにてうそだと白状されていました。

うそ7割現実3割?くらいなので、最後までまんまと信じてしまいました。

いやー、やられた!でも、とっても楽しい!ちょっと嫌味なくらいお上手[E:good]

これも、おすすめ~!!