木原敏江さんといえば、少女漫画少女漫画した絵柄を欠かせたらピカイチの方ですが、中学時代に「アンジェリク」を人から借りて読み、かなりガツーんと衝撃を受けたのを思い出します。(それまでは、何?この絵くらいに思ってた)
涙が滝のように流れる大河ロマンでございます。未読の方はぜひ。
さて、上田秋成の雨月物語を彼女が描くとどうなるか? よかった~。特に第一話「菊花の契り」は兄弟の契りを結んだ二人の男の話なのですが、ボーイズラブの原点みたいなお話でございます。そこは、「摩利と新吾」を描いた人ですから大層魅力的な話になっています。
裏切られた妻や、人間に一目ぼれをした蛇神、死んでも約束を守ろうとし霊となり約束を果たした男などなど。おどろおどろしい恐怖というよりは、悲恋のストーリ。
あとがきにも書かれていたように「怪談」ではないなぁ。しかし、あとがきに愚痴ひとつ入っていないのがまた、男気あふれててよかったですよ~まだまだ読みたくなりました!