お里が知れる変換をしやがった私のパソコン。
円紫さんと私シリーズ第2弾です。三年生になりゼミも決まり卒論に向けてワープロ(時代を感じます)を買うためにアルバイトを始めた「私」。
本の虫だけどとってもまっすぐに育った彼女は、みなに愛され良縁にも恵まれ、後の就職先にもなる「みさき書房」で文壇の大御所と出会い、そこでひとつの謎を投げかけられます。
なんとその謎は、かの芥川龍之介がふと漏らした言葉の意味。
「これはキャッチボールみたいなものだから」
結局その大意は作品が他の作品とのやりとりで生まれたものだというようなことだったのですが、それを彼女が調べていく過程が、なかなかしっかりと謎解き物語になっております。
円紫さんや正ちゃんとのやりとりも健在。ただし、文中に芥川龍之介やその時代のいわゆる文豪たちの話がたくさん出てきて、いわゆる一般常識として語られる部分ですら私には知らんことばかり。菊池寛は名前しか知らないし。
それ以外の人は名前すらおぼつかない・・・てなわけで、正直以前読んだ「夜の蝉」なんかのほうがとっつきやすくて好き。
しかし少なくとも芥川の六の宮の姫君くらいは読んどきたいなぁ。と課題図書が出来た気分です。