アガサ・クリスティの「満潮に乗って」を読んだ。
クリスティのタイトルの中ではあまり有名な話ではないとおもうが、しびれるくらい大どんでん返しだった。
相変わらず、最も犯人っぽくない犯人だったがとみせかけて、そのさらに裏をかく、みたいな。
とにかく、連続ドンデンであった。(意味不明?)
犯人宛も難しかったけど、誰と誰がカップルになるかも大どんでん返しだったなー
事件の前半はポアロも出てこないし、叔母二人を(全然タイプが違うのに)混同しちゃうし、読み進めるのが少し辛かったが、後半の事件解決までは怒涛のイッキ読みだった。
それにしても、人間って100年くらいじゃ全くかわらないんだなぁとおもった。
幼い頃から二人は結婚するとみんなに言われている若いカップルがいた。
しかし、戦争が始まり国の決まりにより農場経営をしている男性は兵役免除だが、彼女のほうが志願して戦地に出かけることになる。
英国では女性が従軍することにもおどろいたけど、数年後軍を離れ実家に帰ってきた彼女からみたら、村の農場でずっと待っていただけの彼氏は退屈で面白くない人間に思えてくる。
そこに、「大富豪の叔父と結婚して遺産を全部相続した若い娘とその兄」がやってきた。
その娘のせいで一族は当てにしていたおじさんのお金がもらえなくなる。しかも兄はことさら不遜な態度を取り続ける一癖ありそうな男。
しっかり者のくせに、つい危険な男に惹かれてしまう女は今も昔もいるものだ。
端から見たら「絶対やめたほうがいい」のにそういう男のほうがモテたりしちゃうよねー
ってことをアガサ・クリスティーは本当に鮮やかに描き出すのだ。
幸いなことに、この壊れそうなカップルは意外なことに、最後はうまくまとまる。
この退屈な男が「君を誰かに渡すくらいなら・・・」とキレちゃうのだ。
タイミングよく現れるポアロ!(絶対物陰で待ってたと思う)
今回の話は、戦争中の物不足がことさら語られていて「今まで優雅な生活をしていた」レディたちが魚を買うために見せに何時間も並ぶ、みたいなことが書かれていた。
日本意外の戦争の様子ってあんまり聞いてこなかったが英国でも空襲とかあったんだなぁ。
大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死し、莫大な財産は若き未亡人が相続した。戦後、クロード家の人々はまとまった金の必要に迫られながら、後ろ盾のゴードンを失くし窮地に立たされる。"あの未亡人さえいなければ"一族の思いが憎しみへと変わった時……戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。
映像化されておりますよ。
次に読みたい本
全然、関係ない本で申し訳ないが、だってアマゾンがひっそり推してくるから。
原作は、ちょっととっつきにくいかなと思ってたけど漫画なら・・・