Kindleunlimitedにドカンと追加された、KADOKAWAコミックエッセイ特集のなかの
「48歳で認知症になった母」を読んだ。・・・ボロボ泣いちゃった。
最近になってヤングケアラーという言葉が認知されて来たが、原作の美齊津 康弘さんがこどもながらに母親の介護をはじめた30年以上前は、そんな言葉もなく人にも相談できずに大変なご苦労をされたようだ。
大好きなお母さんが変わっていくのを恐れながら友だちにも言えず中学、高校へと進む彼。勉強ををするくらいしかやることがないので成績が良くなった、という話は本当に身につまされる。
結局、彼が大学生になってお母さんが亡くなってしまうのだが、進学を決めることでお母さんの見捨てたと思っていたた彼は、就職してからもそのことでふさぎ込むようになる。
お母さんもさぞや残念であったろう。今でこそ家族だけでなく社会全体で受け入れられるように支援サービスが増えてきたが、当時は家族が面倒を見るしかなくしわ寄せは小学生の彼に行ったようだ。しかもアルツハイマーという病気は「痴呆とかボケ」と言われていた時代。いやー、48歳なんて働き盛りじゃない。
ドラマだったらおそらく描かれないような下の世話の話もあって、もちろんかわいい絵柄の漫画だしある程度控えめに書かれているのだろうが、実際に中学生の男の子が来る日も来る日も母親の汚物の世話をしていたとは泣けてくる。
これが実話の強さなんだろう。
結局今彼は、介護の仕事に進みケアマネとして生きているそうだ。
えらいなーで片付けてはいけないのだろうが、ホント頭が下がります。
ヤングケアラー問題にイマイチピンときていない方がいたら読みやすいのでぜひ呼んでみてほしい。
いつも優しくて明るくて、自慢のお母さん。そんな母が48歳で若年性認知症を発症したあの日から、幸せだった毎日は徐々に崩れ始めました。
学校から帰宅すると、徘徊する母を捜して連れ戻したり、うまくできない排泄の後始末をする日々。「僕がやらなきゃ家族が壊れる」と思い必死にこらえるも、自分のことすらわからなくなっている母に怒りと悲しみが湧いてきて…。
11歳にしてヤングケアラーになった著者の衝撃の実体験をつづったレタスクラブWEBで人気の連載が書籍化。
次に読みたい本
おなじ48歳でもこっちはずいぶん楽しそう。私この人の絵柄すきー
40歳から始まったこのシリーズ、現在50歳ですよ号まででているようだが、48歳になったら一巻にはなかったほうれい線が入ってる!