ジェーン・スーの「私がオバサンになったよ」を読んだ。
人生、折り返してからの方が
楽しいってよ。
考えることをやめない。
変わることをおそれない。
間違えたときにふてくされない。
ジェーン・スーさんと、わが道を歩く8人が語り尽くす「今」。
光浦: 愛し愛されるということをしてみたい。
山内 :自分の小説は、「女の敵は女」は間違ってると言い続ける活動だと思ってる。
中野 :自分で考えることを厭わない人が生き延びていける。
田中: 男性の生きづらさと女性の生きづらさはコインの裏表。
海野 :この先に誰かと出会うかもしれない。その人に子供がいたら突然親デビュー。
宇多丸: 先のことなんか考えても、わからない。今この時を必死で生きるしかない。
酒井: 正しい人、優しい人には、悪人に対してすぐ石を投げそうな怖さがあります。
能町: せっかく一緒にいてくれたからお金くらい残したい、という気持ちがある。
幻冬舎ホームページより
いままで、ジェーン・スーとは?名前はよく見かけるが?はて?何者?と思っていた。
例えて言うならマツコ・デラックスを初めて見たときのような?
何をする何者??という引っかかりをずっと抱いてきた。
なんならこのタイトルも森高千里の「あの歌」ってわかってよく覚えていたし、後輩が毎週この人のポッドキャストが更新されるのが楽しみで一週間頑張れると言っていた。
もっと早く読めばよかった!
読んでみた思ったことは、とても自分の役割をわかっている人だなーということ。
もっと自信たっぷりに「ずばり言うわよ」系かとおもっていたが、バランス感覚のある人だと思う。
自分になにを求められいるか察して、ほしい言葉を与えるのが上手いというか。
今回は、ジェーン・スーと何人かの対談集なのだが、どの人との話もとても良かった~
対談している人たちはみなビッグネームで「あの」が付く人ばかり。
あの脳科学者の中野信子や、あの「逃げるは恥だが役に立つ」の海野つなみなど。
対談の内容はけしてゴリッゴリのフェミニストではないのだけど、性別とは、みたいな話が多かった。
特に、いま同居している男性を彼氏と呼ぶのが気恥ずかしく「おじさん」とよんでいること。
先方が退職したタイミンで「主夫」になったこと。
生活費をわたしたり、家事に対する対価を払ったりしていると、自分が昭和のおじさんみたいになっていくことなど、役割が変わるとセリフが変わるみたいな話や、男の人の自殺が多いことに対する考察などおもしろいだけではなくいろいろ考えさせられた。
女性も虐げられている時代があったが、では男性が敵かというとそうでもなくて男性は男性で、「稼ぐべし」「強くあるべし」などマッチョ信仰に苦しめられているのだ。
じゃあ、女性の敵は女性なのか?というとそれも違う。
どうしたら私達はこの生きづらい呪いから開放されるんだろう。
回答はひとつでないことを、わたしたちの世代が示すしかないよね。
未婚で子どもがいないという選択をした彼女たちが、軽やかに人生を謳歌して幸せに大往生ができることを示していくしかないよね。
奇しくも彼女はわたしと同じ年齢。どうりで思い出ばなしの一部始終があの時代の記憶をビンビンに思い出させてくれた。
あとがきであんなに仲の良さそうだった「おじさん」と分かれたことを語っていて人ごとなのにちょっとさみしかった。
次に読みたい本
対談していた山口マリコの「あのこは貴族」
女の敵は女ではない、ということを伝えたかった小説とのこと。