新聞で紹介されていたアルテイシアの「モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」」を読んだ。
大学生になってバイトを始めたうちの娘のこんな一言がきっかけ。
「バイト先で「彼氏いないの?」を先輩に聞かれるのがもーなんというかもやもやするんだよねー」
ふむふむ。ありがちな光景。お母さんもそれを乗り越えてだな・・・なんて
その時は、ピンと来なかったどころが、そのほぼ私と同年輩のパートのおばちゃんとほぼ同意していたくらいだ。
なんか話のついでに、軽い気持ちで聞いちゃいがちな質問かもしれない。
しかし、娘のモヤル!っていう言葉がちょうど頭に残っていた所にこの本の書評に出会ったので、QRコードを読んでその場で注文。
「いい奥さんになりそうだね」「私だったら笑顔でかわすけど」
ジェンダーの押し付け・マウンティング・セクハラ・パワハラ……
女子を困らせる「モヤる言葉」を元気よくバットでかっとばす、痛快エッセイ!
「モヤる言葉に言い返す方法」や「ヤバイ人から身を守る方法」など、言葉の護身術が詰まった一冊!
明菜返し、エジソン返し、哲学返し、猫&BL返し、ナイツ返し、ネズミ返し、
マンスプ返し、イキリオタク返し、オカルト返し、エシディシ返し、アナル返し…
その他、あらゆるシチュエーションに対処する方法が満載。
弁護士の太田啓子さんとの対談「法律の護身術」も収録。
セクハラやパワハラに遭ったら? モラハラやDVを受けたら? 性被害に遭ってしまったら?
ネットで嫌がらせをされたら?…等、法律の知識も詰まった、
女子がサバイブするための必読書。
いやー、なんか久しぶりに
「あああなんか世の中の仕組みがクリアに見えた!」と感動した。
これが啓が蒙されたって感じなのかな。
誰も教えてくれなかった、もっと怒ってよかったんだなぁ。しみじみ。
若い頃はモヤモヤしていたのに、その気持を体の中に塗り込めて、そうして大人になるということはこういうことだと思っていた。
もっと、もっと、なんでもやもやするか突き詰めて考えればよかった。
そうして、我慢できずに声を上げる人たちに「大人気ないな」なんて、うまくやっている風を装わずに、声を上げてくれてありがとうと思うべきだった。
25年前の私に読ませたい!!
でもね、この中でアルテイシアさんも言っていた。
知らなかったことを恥じるだけではなく、自分をバージョンアップしていけばいいのだと。そして、学び続ける事、考え続けることが必要なのだと。
めっちゃ真面目な感じの感想になったけど、この本自体はめちゃくちゃ読みやすいことを保証する。
彼女のバランス感覚の優れた部分が発揮されていて、この難しい内容を笑いにくるみまくっているのだ。
間違っていることに気づいて!怒っていい!といことを笑いながらだけど何度も伝えてくれる。
正直、自分がフェミニストだと宣言できる女性って、ほとんどいないと思うんだよね。
それほど、歴代の戦士たちが偉大すぎて逆に敵を作りすぎているというか、イマイチ、同性を味方につけきれていなかったのではないかしら。
まあ、難しい戦いであったし、今もまだ戦いの途中のヘルジャパンなんだけどね。
しかし、彼女の語り口や本のタイトルや筆名や発信の仕方、全て含めておもしろエッセイスト感を出していて、フェミニズムに対してマイナスのイメージを持ってしまっている人にも拒絶反応が少ないかなと思う。
しかも、面白いだけじゃなくてちゃんとリスクを取っているところがホント素敵。
「産めば仕事の幅が広がるんじゃない?」って、わたし半人前扱いされてる?【アルテイシア】(2020年8月20日)|ウーマンエキサイト(1/8)
とりあえず、WEBでも一部読めるようなので、ぜひ!
ヘルジャパンの意味がわかるよ!
そんな、フェミニズムについて考えた後に、全く真逆に見えるようなこんなコミックエッセイを読んだ。
こちらは、努力する美女、白川さんの話しなのだけど、タイトルから受けたイメージと全然違って、すごく良かったのでこちらもおすすめ。
自分を高める努力を怠らない白川さんは、正直社内の女性からは
「ぶりっこ」「あざとさが鼻につく」「部長と出来てる」などなど言われ放題だ。
でも、白川さんは全く気にしない。
自分のために美しくある努力を怠らない彼女は、
誰かを下に落としても自分が上に登るわけではないことをよく知っている。
みんな可愛くて、みんなハッピーでいいじゃん。と思っている。
そして、セクハラに対しては断固NOと言えちゃう。
そうなんだよねー女の敵は女、というとまた偏見になるかもしれないけれど、
同性の目も異性の目もとにかく厳しいのが、今の社会かもしれない。
真逆に見えて、真逆じゃないのだ。
女子の自己肯定感が世界を救う! メンタル強め美女・白川さんが、ひがみ、嫌がらせやマウントなど、女性を苦しめるプチストレスをはねのける。現代の闇と戦うすべての女子に捧ぐ、最強美女の痛快コミック登場!
若い女の子が世の中を渡るときに押し寄せる、大なり小なりのストレスを乗り越えるためにも、ぜひ読んでほしい2冊。
そして、昔若い女の子だった私達は、同じ苦しみを彼女たちに味あわせることだけはやめよう。
みんな、このくらい我慢したんだ論法はやめようぜ、ってはなし。