初めて読む作家さんである。
本屋で出版禁止などの○○禁止シリーズが平積みされていたので気になっていたのだが、kindleでちょっとお安かったので(そんな理由ばかりでお恥ずかしい)読んでみる。
いやー、最後にすっこーんとそう来たか!と叫ぶ。
どちらかというとホラーなんだけど、東京という土地の過去の情景などがよく調べられていて民俗学というか、古地図散歩の趣もあり、しかも、最後は完全にミステリーの要素も入ってくる。
いや、そういえば、あれもこれもこの最後のページへの振りだったのね。
この本は、東京の23区、1区につき1つの話が語られる連作短編集。
あえてポンポンと語り手が入れ替わっていくので、今話しているのはだれなのか?
混乱してくるのだが、いいかげん読者がモヤモヤしたところで、現在と過去のつなぎ方が見事。
江戸時代くらいの過去の話と思わせておいて実は、っていうね。
「そう来たかという」変化球ばかりなのでちょっと用心深く読まないと楽しめないかもしれない。
たとえて言うなら、お金を払ってお化け屋敷に入る感覚。
だます?だます?ねぇ、だますんでしょ?・・・みたいな。
あ、これがワクワクってやつかぁ。
なんとなく勝手に、先輩との少し甘い展開を予想していたけどもさすがにそれはなさそう。いや、あるのか?
すでに、2冊目も出ているようなので「最後の事実」が分かったうえでこの話がどのように続くか楽しみ。
で、ドラマ化に向きそうだなーと思って検索したらやはりドラマ化している模様
仕事早いな。というか、面白い小説や漫画はとりあえず映像化する感じの、エンタメの消費のスピードが速すぎてついていけぬ・・・
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おお、何気に中山美穂とかでている。
本格ミステリというよりは時代考証ミステリ好きにはおススメ。
怪談の「オチのなさ」が苦手な人にもおすすめですよ~