このミス2023年 13位の結城真一郎著「#真相お話しします」を読んだ。
私たちの日常に潜む小さな“歪み”、
あなたは見抜くことができるか。
家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。
13位か~もうちょっと上かと思ってたけど。
5つの中編からなる作品で、全てが話から読者を騙そうとする歪んだ?エネルギーを感じる。
読者も、なんかきな臭いなーと思いなが読むのである意味心理戦ではあるのだが、正直読後感が爽やかとはいい難い。
真相ってそういうものかもとは思うけど、ちょっと人が死にすぎだなぁとは思う。
しかし、最後の話、「#拡散希望」はゾッとしない。
昔そういう映画あった気がするが、それよりもひどいっつーか。
(そして、その映画のタイトルがなかなかでてこなくっって、脳が痒い。
思いっきり検索しまくっているが、検索キーワードが出てこないため、全く拾えない。
有名なコメディアンの映画で自分の信じていきたきた人生が全部虚構の世界で、エンタ
メ映画として皆に見られていた、的なやつなんだけど・・・起これ!アハ体験!)
よく、Youtuberの悪ノリみたいなものに眉根をよせるようなニュースはあるが、さすがにここまでやられたら引くわぁ。
中には「パンドラ」みたいに、不妊治療を行うカップルの気持ちがよく代弁されている異色作もある。
この話は、男性なら誰しもふと訪れる「本当に俺の子か」問題を扱っているといえばそうなのだが、細かいひっくり返しが何個もある。
最後は気づかなければよかったことに気づきそうになる父親が慌てて思考に蓋をして押し込んだけど、その判断は正しいと思う。
人間の関係は血の繋がり、遺伝子だけが全てではない。
でも、つながっていると思って生活する方がいい。
冷静でエリートな人物にも生物としての人間性が顔をだしそうになる。
しかも、誰一人悪意はないのだ。今後彼が穏やかに生活できることを祈る。
騙されたくなった人や騙せるもんならだましてみろと思った人にはオススメ。
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