直木賞受賞作、永井紗耶子の「木挽町の仇討ち」を読んだ。
江戸の木挽町にある芝居小屋を中心に展開される、仇討ちを巡る複数の人物の物語。
物語は、以前会った仇討ちの話を聞きたいと一人の若侍が芝居小屋に関わる人々の一人一人に話を聞いて回る、インタビュー形式。基本当人の一人語りなのがうまい。
語り手の半生や、彼らがどのようにしてその場所にたどり着いたのか毎回それぞれの人生をなぞって語られる。
話は、最後の語り手、仇討ちをなした当人の語る真相で、読者はかるくドンデン返しを食らう。
なによりも時代小説としての魅力に加え、ミステリー要素もあって楽しく読めた~
江戸の芝居小屋や、そこに携わる人々のキャラクターが丁寧に描かれていて、時代小説があまり得意でない人でも楽しく読めると思われる。
最後の語り手の話で、散りばめられた伏線が回収されるのだが、なんとも言えずとても爽やかな読後感だった。
ちなみに今回もまたAudible(オーディブル)の読み上げ読書だったのだが、この作品はたくさんの声優さんが出演していて、こういうのもたまにはよいなーとおもった。
というか、最後の人の声とかめっちゃ良かったわー、声優に詳しくないから名前を聞いても存じ上げないのだが。ホントいい声~~
イヤホンで聞いてたらなかなかの快楽。