有栖川有栖の「スイス時計の謎」を読んだ。
2年に一度開かれていた“同窓会(リユニオン)”の当日、メンバーの一人が殺され、被害者のはめていた腕時計が消失! いったいなぜか……。火村の示した間然するところのない推理に「犯人」が最後に明かした「動機」とは。表題作ほか謎解きの醍醐味が堪能できる超絶の全4篇。ご存じ国名シリーズ第7弾、これぞ本格だ!
表題作含む中編4本。立て続けに読みすぎたせいで頭の中がこんがらかっているが、有栖と火村のキャラクターは私の中でどんどん成長し息づき始めた。
それにしても、スイス時計の謎は私にはちょっとよくわからなかった。
有栖さん、読者は思ったよりおバカやで。(私だけ?)
全員でおそろいの時計持っている、いわゆるエリート意識の塊の男ども。
被害者も犯人もこの中の一人なのだが、犯人を一人に絞り込むロジックが難しいのだ。
たぶん、紙と鉛筆を持ってまじめに追っかけたらわかるのだろうが、読むだけではよくわかんない。
しかし、よくわからないけどエリート志向ってやあね。というのはわかった。
あと、最後犯人がなぜ殺人を犯してしまったかもわかった。
これに関しては理解はしたが共感は到底できない。
他にも、以下の3作を含む中編集
あるYの悲劇
いわゆるダイイングメッセージもの。
とあるインディーズバンドのギタリストが
Yと読める(ここ重要、そして定石)血文字を残して殺された。
なるほどね!のオチだったけど、本格ミステリマニア以外は怒るかもしれない。
言わずと知れたこちらの作品から取られた題材
女彫刻家の首
タイトルだけだとコレを思い出すよね。
怖くて酷かったことしか覚えてない衝撃作。
有栖版女彫刻家は被害者でした。
えらい目にあってお気の毒だが、なぜ首を切り落とさなければならなかったか、を掘り下げていくホワイダニット。
シャイロックの密室
シャイロックとはシェイクスピアに出てくる金貸しのことなんですって。
この作品で知ったのだが、そんな意味があるなんて知らなかった。
こちらは、犯人が意外と間抜けだ。
すごい職業がら持っている、あるものをつかったトリックを思いつく。コレで完全勝利かと思いきや間抜けすぎる理由で、つかまってしまう。あーあ。