若き日の私達のときめき汁を絞り尽くした「なんて素敵なジャバネスク」を描いた山内直美の「おちくぼ」を読んだ。
日本の古典「落窪物語」のコミカライズ。とは言え古典の知識なんて全く無くても楽しめるの。
「なんて素敵な~」や「ざ、ちぇんじ」を擦り切れるほど読んだ学生地代を思い出しながら楽しくよんだ。
全6巻、最近はなかなかできないイッキ読みをした。は~充実感。
あまりにも変わらない、変わらなさ過ぎる!
私が吉野の君(なんて素敵にジャパネスクに出てくる憧れの人)にうっとりしていたのは30年くらい前なのに。
まあ、古典だからいいのか・・・
そうそう、家にもう一冊落窪物語あったのよ。
こちらはこちらで、王道少女漫画な筆致である。当たり前だがストーリーは同じだ。
ただ、絵柄と清純度合いがちょっと違うかも。対象年齢と描かれた時代?
おちくぼ、では姫に手をなさない少将ですが落窪、の方はちゃんとやることはやっちゃうのです。
ちなみの落窪物語は「和製シンデレラストーリー」という感じで、継母にいじめられて落ちくぼんだような部屋に押し込められ、裁縫が上手だからずっと縫い子として働かされていた姫に、もてもて都でも出世も女も思うままいわゆるセレブだった少将が興味をもち、その美しさと優しさ、不幸な境遇に恋におちて彼女を屋敷から強奪する、という話。
シンデレラでは、継母と意地悪な姉妹への復習までは描かれていないが落窪物語では、彼女をいじめていた継母の所業に腹を据えかねていた少将が結構意地悪~な仕返しをするのです。
一番意地悪なのは、末の妹の婿へと望まれたとき自分の従兄弟を替え玉で送り込み、既成事実を作らせてしまったこと。
これ、当時は暗いうちに来て夜明け前に帰る通い婚だったため、結婚が成立したあとにやっと顔をみてびっくりみたいなことがあったそうだ。
少将なんて、「愛情なんて後からついてくるから」みたいなけしかけ方をしていて、まあまあひどいんだけど。
とはいえ、山内版「おちくぼ」では少女たちの夢を壊さないように、替え玉だったけど姫の方から一目惚れみたいな設定にされていた。
花村版(は多分こちらのほうが原作に忠実なんだろうけど)完全に妹姫は明るいところで見てびっくりした、ということになっている。
どうやら、従兄弟はかなりの馬面らしくて面白の駒なんて呼ばれていて宮廷内で馬鹿にされていたみたい。いじめの構図は平安からあったのか。
もう一度ときめき汁が出るかと思ったがもはや、「懐かしいのう」という嘆息しかでなかったが、なんて素敵にジャパネスクをもう一度読みたい!!という欲望だけはむくむくと湧いてきちゃった。
表紙は、ヒロイン落窪姫と阿漕(幼馴染の召使?)この阿漕が大活躍。
そして、検索していたらなんとなんて素敵にジャパネスクに「人妻編」がでているではないか。これは読まねば。
もはや、自分が人妻編を読んだかどうか覚えていないのだが・・・高彬とやっと結婚するまで読んだんだっけ?
(あまりにも変わらないので表紙ではわからない・・・
ふごふご、報告します。先程人々のレビューを読んだところ、どうやら私の読んでいない新作続編のようです。これは読まねば。