チャック・パラニュークの「サバイバー」を読んだ。
この作者の名前、何度も口ずさみたくなるよね。
実は映画ファイトクラブも最後まで見れず離脱して、面白そうでかったララバイもまだ積読なので、今回、初パラニューク作品読了なのだ。
燃料が底をつきた航空機のコクピット。ただ一人残されたカルト教団の生き残り。全てが最悪の方向へ転んだ僕の物語を聞いてくれ。
物語はいきなり、飛行機のコックピットに陣取る
ハイジャック犯の独白から始まる。
不思議な章立てになっていて、47章からだんだん1章に近づいていくと書いてある。
だが、心配する事は無い。きちんと時系列従って書いてくれているので構えたほど分かりにくくはない。
主人公の一人語り、僕はカルト教団で生まれた双子の弟。兄だけが教団に残り、それ以外の子供たちは労働資産として集団から外に出される。
厳しい戒律で、ただひたすら労働をし、その賃金は、教団に吸収されると言う新たな奴隷制どのような話。
ある日教団の皆が集団自殺をしたことで、労働資産として集団から出されていた者たちは取り残されてしまう。
この者達をサバイバー、として後追い自殺をしないように保護して、カウンセラーを一人一人につけているのだが、そのカウンセラーが悩みを抱えていて、毎週飲みながらカウンセリングをするのだ。
男は最初とりとめがなく、どこからどこまでが本当でどこからが暴走かわからないようなことをずっと言っていたが、だんだんとストーリー画読者にも染み込んでくる。
最後は商業主義のエージェントにカルト教団の生き残り、新たなる教祖として祭り上げられるのだがその工程もなかなか面白い。
全体的に疾走感というか、リズムが良くて気がつけば最後まで読めちゃう作品。
面白いのか頭がかきまわされるのか。なかなか刺激的な読書体験だった。
さて、こうなるとファイトクラブもきちんと見直さねばなるまい。ピラブラットピットだし。
次に読みたい本
カルト集団のつながりで、こちら。
実際にその村で暮らしていた子どもが大人になり抜け出したから描いたエッセイマンガ。
中でなにが起こっているのか?外からは伺い知れない生活がそこにはあった。
プライバシーも自由もないけど少なくとも健康には良さそう。