西條奈加の「まるまるの毬(いが)」を読んだ。
それにしてもこの人の作品振れ幅デカイなー
この間幽霊が見えちゃう警察官のコージーミステリを読んだ気が……
親子三代で菓子を商う「南星屋」は、売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨て、職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永と一粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
久しぶりに時代小説を読んだ。
殿様の御落胤であることを隠して、腕の良い菓子屋になった治兵衛さん。
諸国をめぐり数々の菓子を食べてきた治兵衛は、毎日諸国のお菓子を作って、お求めやすい値段で贖っていた。
真っ当に地に足を入れて生きて行くことを選んだのに、孫娘が嫁入りするような歳になって今更その過去を蒸し返す者が現れた。
悪いことを何もしていなくて悪いことがおこることが切ない。
治兵衛の孫の嫁入り先、たまたま知り合った若侍は、平戸藩のそこそこ良い身分の武士だった。
それを曲解の上に曲解して、謀反の企てと言いつけたものがいたのだ。
最後の最後に言いつけたライバル大店の男の捨て台詞、
私はあんたに詫びるつもりはない。
あんたは何一つ無くしていないのだからな!
確かに、治兵衛さんは結局全く何も無くしてない。
家族ははみな仲良く、商売も繁盛。
いい人達はいい人達と共にやはり報われてくれてよかった!ハッピーエンド。
これ以上何が必要か?
いつも殺人事件ばっかり読んでだら米花町の市民みたいになっちゃうぞ、私!
も、物足りないなんて思ってないもん。
次に読みたい本
例のゴージーミステリー
コージーミステリーなんて専門用語かしら?
軽くて楽しいミステリのことですよ。