Audible（オーディブル）で今年のこのミステリーがすごいで１位の「爆弾」を読んだ。
久々、面白いミステリー読んだ。類家君のファンが増えそう。
作者 呉勝浩さんも初読みだし、なんとなく表紙のイメージから、勝手にゴリゴリの社会派ミステリー？というイメージを抱いていた。
というか、イメージを抱くもなにも、そもそもこのミス１位取るまでちいとも知らなかったのである。
そして、表紙をみてもそんなに心ひかれなかったのである。
あらすじ
「スズキタゴサク」を名乗る得体の知れないおじさんが軽犯罪で捕まった。
最初は取り調べる方も、さっさと終わらせて片付けたい感じが目にみえていたのに、取調べ中タゴサク氏が「私、予知能力があるんですぅ」と爆発を予測したところから徐々に緊迫感がただよいはじめる。
爆発は連鎖し、取り調べも所轄の当直刑事から本庁の取調官と交代するのだが、
タゴサクはのらりくらりと人を喰った対応をして、自信満々のエリート取調官のメンタルが崩壊してく。
一方では取調室で、エリート取調官の代打で、類家という変わった名前の若い刑事（いや童顔と書いてあったから若くはないのか？）とタゴサクの心理戦が行われていて、
もう一方、いわゆる現場では所轄の巡査たちが爆弾を探すために危険に身をさらしながら邁進する。
市民から言いたい放題言われ、捜査中に目的を見失いそうになる若い女性巡査と
過去に辛酸をなめた経験から、もう何にも心を動かさないよう決めているベテラン刑事を軸に物語が進む。
タイムリミットが迫るなか、自分たちが守ろうとしているものは何か？
顔もしれない「市民」たちを命がけて守ることはできるのか？
仲間なら迷わず助ける。でも、どこまでが仲間なんだ？
平常時には考えたことがない疑問が湧いてきてしまい、途方にくれつつも、
最後は「無意識に」自分の命を賭けてでも爆発を防ごうとしてくれた、倖田巡査に救われた気分。
イイね！
取調室ではスズキタゴサクが妖怪じみていて、相対する人間たちが、どんどん心を侵食されていく様子が怖かったのだが、
類家（取調官）が最後に放ったセリフで今までのタゴサクの言い負かされてしまっていた読者の気持ちも救われた。
タゴサク、間違ってたヨ！ってなってる。多分。
ココも、イイね！
好きなところ
テンポがいいし、想像より「エンタメ全開、フルスロットル」なストーリに聞き始めたら途中でとめられなかった。
コレは流石に一位だし、映像化しても面白いかと思う。
なんとなく、事件は会議室で起こっているんじゃない！という感じのノリのドラマが良かろうと思う。
そして、スズキタゴサクを演じきれるほどの怪人物を私は知らないけど、
アニメだったら「ドーン」の笑うセールスマンだし、
実写版だったら荒川良々（あらかわよしよし）だと思うのだがどうだろうか。
「爆弾」Audible（オーディブル）で聞けるので、ぜひ。
このサービス、月々１５００円で読み放題だし、売れ筋が結構はいっているのでオススメです。
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