満開の桜を見てふとどんな話だったかと思い梶井基次郎の「桜の樹の下には」を読んだ。
タイトルは超有名だし、なんなら桜の樹の下には死体が埋まっている、とワンセットでオチまで知っていたが、読んだことはなかった。
透明な水晶のような文章だった。
そして、とても短い小説だった。
何故俺がこんなにも美しい満開の桜が恐ろしく感じるのか、それは桜の樹一本一本の下に死体が埋まっているからだ。
死体のエキスを吸いあげて妖しく咲き誇る桜のイメージ。
かみそりを見つめてしまう危うい感じの若者たち。
嗚呼、お耽美です哉。
しかし、私のイメージは若い女性の死体だとばかり思っていましたが、以外にもいろいろな動物の死体と書いてあった。
こんな美しい文章を書く梶井基次郎とはどんな人だろう・・・・
で、こんな人なのだ。
うーん、ギャップ。(失礼か)
で、連想からこの本の事を思い出した。
おそらくだが、この本もこの名作のオマージュだと思う。
一巻?は読んだつもりだったけど記憶違いだったかもしれない。
この時期の我々の国はふわっとピンク色で気分が上がると思っていたけど、その根元に一体ずつ死体が抱え込まれているかと思うと、ぞわぞわしてくる。
すごくアッという間に読めてしまうので、ぜひ満開の桜の下でご一読を。