強制除霊師・斎シリーズの異色闘病記「霊能者ですがガンになりました」を読んだ。
そもそもあまり興味のない人にとっては、「強制除霊師」のあたりでうさん臭さマックスでシャッターを下ろしてしまうと思うが、私お好きな人なんである。
スキモノなんである。でもこの世界も結構人気のある分野なんですよ、実は。
そんなわけで、この強制除霊師・斎シリーズも大変楽しく読んでいたのだが(kindleunlimitedでよめるのでもしよければ。一番の特色は除霊の仕方がドSと言われていて、見える人には見える霊の世界を認めつつも、こっち優先だかんな、言うこと聞かねーなら消すぞゴルァ!と割とコミカルな内容なんである。)
ところが今回そのドSの霊能者、斎さんがよりによって「乳がん」になった闘病記とのこと。これは読むしかあるまい。
なぜならば、私も乳がんを患い手術経験したいわゆるサバイバーであるから。
この件に関しては、あんまり触れたくないわけでもないのだが、話して困らせるのもなんなので、結果的にあんまり触れていない。
ただ、大きな病というのは私を形成するうえで大きな部分を占めているのも確か。
幸い今のところ予後は良好で、今では3か月に一度の採血以外病院へは行っていないし、ありがたいことにそろそろ9年経過し投薬も終わりが見えてきた。何のお気遣いも必要はない。
※2023年追記※
現在、11年目。10年目でめでたく治療終了。Q大病院を卒業し、気になるだろうから年一回自分で検診におゆきなさい、と紹介状をもらって現在に至る。
がんは治らない時代じゃないのだ!まあ、再発リスクはあるけどさ。
そんなン気にしだしたらキリがないし、交通事故にあう心配をして家に閉じこもるようなもんだからね。
酒も、もう少し酒を控えれや肝臓やられるぞ。くらいにはたしなんでいる。
しかしこの話をするとどうしても熱が入ってしまうのはご容赦願いたい。
一言いいたくなってしまうのだ、どうしても。
留学から帰ってきたやつが海外かぶれしてうるさい的な?
ワイン飲む前のうんちくが長いやつ的な?
まあ、そういうわけで乳がん闘病記に関しては割とうるさいわよ、タイプの私。
今回は、さすがに斎シリーズならそんな深刻な感じになるまいと(だって、表紙ですでに禁煙できてないじゃん!)と手に取ってみたのだが、完全に油断した。
こういういい方は本当に不敬かもしれないが、ビビりなので最後に人がなくなる闘病記は避けてたのに!油断した。
斎さんは「長生きしてかわいいおばあちゃんになるぞ!」と決意を固めて、漫画は締めくくられる。最後までポジティブ。
でもあとがきで実は斎さんはお亡くなりになってしまったことを告げられる。
まさか、斎さんがお亡くなりになっていたとは・・・
なんか、ものすごくもやもやしてしまってつらい。
そう、私が闘病記にうるさいのは単に「最後に死んじゃう話は読みたくない」きわめて個人的な恐れだけなのだ。
(そしてそれで「なんか文句ある?」とも思っている。病は気からだし。)
私が怪談が好きなのも、病によって死を考えたから・・・なんていい感じの話では全くない。
自分が死ぬのが怖いけど、死んでしまった幽霊にはミーハー的にキャーキャー言うっていうね。ただ、この点に関してはちょっとめんどくさい私。
乳がんの治療とかどんな感じですすむのかなとか、医療者に対する思いなど知りたい人にはおすすめ。
怪談としてはそんなに怖くも不思議でもなんでもない。