椹野道流(ふしのみちる)の「祖母姫、ロンドンへ行く!」を読んだ。
本屋で見かけた時から気になっていたのだが、ペンネームから勝手に男性と思い込んでいた。(そもそも、なんて読むかわからずに調べちゃった。これは読めんわ)
フィクションだとばかり思っていたが、実際は作者が若い頃に祖母(実は曾祖母)を冥土の土産に親族一同イギリス旅行に送り出すにあたり、お世話係として同行した、道中思い出日記のような内容。
関西弁の心の声がちょいちょい挟まれるユーモア精神旺盛な読みやすい文章。(どうして関西弁が入るだけで面白くなるのか、羨ましい!)
親戚一同が祖母のために、「姫のような豪華旅行」をセッティングしてくれているので、一流ホテルに滞在するのだが、祖母のあまりのわがままプリと作者の地味な衣装でかしずく姿に、ホテルスタッフには「マダムと秘書」と思われてしまう。
そして「お客なんだけどお互いサービス提供者だよね」という感覚で仲間扱いしてもらうことに。
丁寧、でもフレンドリー。
彼女は、昼間はおばあちゃんの忠実なしもべ、でも早寝するおばあちゃんの睡眠中は、英国留学中のお友達と何回か会って楽しんでいた。
その様子をスタッフの人は「おはようバッドガール、貴方には濃いめのお茶をお入れしましょうか?」とニヤリとしながら話しかける。
オシャレでウイットに富んだイギリスユーモアが素敵。
旅の終盤に彼女がどうしても会いたかった人とは彼の仕事の都合上会えないことがわかりがっかりしていると、なんとバトラーのティムったら、仕事時間外に車を出してからの住む街まで送迎してくれたのだ。
もちろんホテルスタッフにあるまじき行為でバレたら大変なことになるんどけど、その誘い方とかが、それはそれは素敵で胸が熱くなってしまった。
ここだけでも読んでほしい!
本当あったことなのかしら?と疑いたくなるくらい英国紳士が素敵過ぎて、イギリス行ってみたいものだ!アフタヌーンティー食べてみたいものだ!のふんふん鼻を鳴らしながら読んだ。
そうそう、イギリスってあんまり食事が美味しいイメージはないけど本場のスコーンにはクロテッドクリームをたっぷりのせるらしくて、めちゃくちゃ美味しそう。
実はスコーンなんて美味しいと思ったことないんだけど、これは食べたい。
次に読みたい本
クリスティの食卓!!
うわー。でもクリスティって何食べてたっけ?
そうそう、この本の中でもオリエント急行ディナーツアーの様子が描かれていた。
すごく揺れるらしい。