二度見するタイトルである。
モンゴルのチンギスハンが日本の武将だった!レベルのヨタ話かと思いきや、あにはからんやミャンマーの鎖国政策を江戸時代に、そしてミャンマー政府を徳川家に例えてわかりやすく?してくれているのだ。
作者、高野秀行氏は有名な冒険作家。その書き味は軽妙でひょうひょう。
と、知ったかぶったが実は初めて読む作家さんだ。
探検部の先輩、船戸与一氏とともにミャンマーに取材旅行のまさしく面白珍道中。
道中記は2004年当時のミャンマーの市井の人々と柳生一族に例えられる、ミャンマー政府の情報部(ここら辺微妙)の様子がイキイキと綴られている。
流石に今の状況と変わってしまっているみたいで、そもそも国際情勢の知識があんまりない私でも、アウン=サンスー・チーがその後自宅軟禁を解かれて政権を獲ったことは知っている。
ものすごいタイトルだけど、そしてすごく面白い読み物んなんだけど、ミャンマーの近代史がよくわかる。
それにしても、ミャンマーに合法的に入国できて驚く話や、ミャンマー政府の寡黙なスパイかと思いきや意外と英語が不得意なだけだったり、数回電車の中で吹き出してしまった。
この取材で彼が書いた本はこれらしい。船戸イズムが溢れた作品、になるはずと紹介されていてまたウケた。