先日、森茉莉(もりまり)の「贅沢貧乏」を読みまして、衝撃?と言うほどではないのですが、なかなか面白い[E:happy02]!と感動しました。
贅沢貧乏は、森茉莉にい限りなく近い「牟礼マリア」が”精神の貴族”として貧乏生活つづるエッセイなんですが、それを読むとこの森茉莉という女性に惹かれてしまわずにはおれません。
それで、なんとなくリサーチしていたらやはり森茉莉には中毒性があるようで、たくさんの関連本が出ています。
うちの(?)小さな図書館ですら3、4冊ありました。
私は今回、この「森茉莉 贅沢貧乏暮らし」にて初めて彼女の写真をみましたが、うーん複雑。
ちょっと想像とは違っておりました。本人が「私は過去令嬢だった!」と吼えて?いたのには全く間違いなかったけれど、だんだんカラー写真が出回るころになると、蓬髪の老婆・・・
当たり前だけど、ちょっと気合の入った(一人でテレビに突っ込みを入れてそうな)ばあさんになっています。
本人も、そんな自分を見るのがいやで、晩年は鏡をおかなかったそうですが、この本はそんな彼女の私物や料理の再現など盛りだくさんです。
ディープな森茉莉かぶれ(そういう人がたくさんいるのだ)には物足りないようですが、私にはいろいろ面白い本でした。
それから、もう一冊。こちらも今は絶版のようですが、「群ようこ著 贅沢貧乏のマリア」
エッセイを書かせたら右に出るものはいない群ようこさんによる、評伝エッセイ。
森茉莉に対し「やっぱり友達にはなれないかも知れない」と思いつつも、森茉莉の言動を彼女の文章だけでなく、森家の兄弟などの文章からも引いてきて、なかなか読ませてくれます。
中でも、森茉莉の部屋の汚さについては驚きでした。
家具を動かそうとしたら足が「土状に変わったゴミ」に埋まっていたと言うのです。こりゃ、掛け値なしのゴミ屋敷・・・夕方のニュース番組が突撃します。
その家を訪れた永井荷風があまりのことにびっくりして睡眠薬をのんでもまだ眠られなかったそうです。
うわーますますもって、怖い!怖いけど見たい!私にとっての森茉莉さんはそんなかんじです。
それにしても、ある本が面白くてその作家のほかの作品を読むことは今まで多くあったけれど、その作家自体に惹かれてしまうことは、わたしには珍しいこと。
幸いなことにディープなかぶれさんがたくさんの関連本を出しているようなので、ぽちぽち読んでいきたいと思います。