iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

時代小説

「帝国妖人伝」犯人当てならぬ探偵あて

伊吹亜門の「帝国妖人伝」を読んだ。 帝国妖人伝 作者:伊吹亜門 小学館 Amazon 時は明治、那珂川二坊は文学で名をなさんとす。尾崎紅葉に師事すれど執筆がかなうのは小説どころか三文記事ばかり。この日も簡易食堂に足を運び、ネタを探して与太話に耳を傾け…

「心寂し川」しみる人情噺

西條奈加の心寂し川を読んだ。 これで、裏寂し川、と読む。 心淋し川 (集英社文庫) 作者:西條奈加 集英社 Amazon 「誰の心にも淀みはある。でも、それが、人ってもんでね」江戸の片隅、どぶ川沿いで懸命に生きる人々の哀しみと喜びが織りなす感動連作。 江戸…

「隠居すごろく」これはコンサルの時代小説だ

西条奈加の「隠居すごろく」を読んだ。安定の面白さ! 隠居すごろく (角川文庫) 作者:西條 奈加 KADOKAWA Amazon 巣鴨で六代続く糸問屋の主人を務めた徳兵衛。還暦を機に引退し、悠々自適な隠居生活を楽しもうとしていたが、孫の千代太が訪れたことで人生第…