iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「隠居すごろく」これはコンサルの時代小説だ

西条奈加の「隠居すごろく」を読んだ。安定の面白さ!

 

巣鴨で六代続く糸問屋の主人を務めた徳兵衛。還暦を機に引退し、悠々自適な隠居生活を楽しもうとしていたが、孫の千代太が訪れたことで人生第二のすごろくが動き始めた……。心温まる人情時代小説!

 

先日、シニアになってもまだ働かないといけないっぽい・・・っと愚痴ってみた私だが、反動から隠居する話を読んでみた。

 

 

ichi-z.com

 

徳兵衛さんは小さい頃から糸屋の主として仕事一筋。稼ぐことが信条。出費は大嫌い。仕事はできるのだろうが、とにかく煙っったいおじいさん。

 

本人は隠居することだけを楽しみに自分にも家族や雇い人たちにも厳しく生きてきて、ようやくすごろくの「上がり」のつもりで、引退をした。

 

しかーし!!残念ながら、隠居は甘くなかった。

 

せっかくゴールだと思っていた場所は、実はスタートでしかなかったのだ。

 

ゆっくり道楽をするつもりだったのに、何をしても楽しくない。

 今までの人生遊んだことがなかった徳兵衛は遊ぶ時間があっても遊ぶことができなかったのだ。そうこうしていうちに孫が連れてきた友だち、その母親、その知り合い、ずるずるとなぜか「人助け」をしてしまう。

 

ただし、根っからの商い好きの徳兵衛は「ただ与える施し」はしない。
お金を与えるのではなく、読み書きを教え、仕事を与える。

 

孫たちには商いのいろはを教え、どうすれば目先の損得ではなく、客も自分も幸せになり、さらに儲けをだせるかを考えさせる。

 

うーんこれはほぼコンサルタント業務ですね!

第2の人生で人との関係の結び方を変えることができた徳兵衛。

 

自分が変わることで、長い間うまくいっていなかった妻とも仲直りをする。

 

よく心配されている、定年退職した旦那が家にずっといる問題では、頑張り続けてきた人がやることがなくなって、ポッキリ折れる。もしくはとっても厄介。みたいな心配をされるけれど、少なくともこのお話では、隠居イコール真新しいページを開き冒険の始まり。と捉えている。

 

いやー私も自分のリタイアは本当にたのしみになってきた。

でも旦那のリタイアはまじで心配。たのむ!自分で自分の相手をしてくれ!

 

次に読みたい本

隠居で検索したら、「ご隠居同心」だの「隠居忍法」だの、シニアもまだまだ働かされている・・・

そんなんじゃなくてほら、もっと楽隠居みたいなやつ、あるじゃないですか、今流行ってる。で、思い出したのがこれ。要はご隠居ってこれですもんね。

 

FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド

 

ギラギラしているなぁ。働かざる物食うべからずと言われ続けた私にとってはなんか慣れるまで落ち着かなさそう・・・でも、FIREできるなら断らぬ!