iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

オカルト作家の格闘育児日記、ただし猫。「猫怪々」

加門七海の猫怪々を読んだ。

 

猫怪々 (集英社文庫)

猫怪々 (集英社文庫)

 

 

引っ越した途端、病気の子猫を拾ってしまった彼女は、猫に「のの」という名前をつけ、まさしくのののためにできる事は何でもしていく。

 

その中には、さすがオカルト作家だけにとにかく我々が知っている病気の子猫への手当てだけでは止まらない。

プラス気功、呪い、神仏頼みとなかなかすごい。

もともと彼女は霊感が強く視えるらしく、ののの周りにたくさんの黒い虫のようなものや、でっかいバッタのお化けのようなものなどいろいろ視えて、それを人が見たらへんに思うだろうなと思いつつもいちいち追い払ってゆく。

結果今では元気になったののを、迷惑なほど可愛いと言いつつ溺愛しているのである。

 

最初から最後まで猫愛にあふれた親バカ日記みたいな本。

今まで自分が犬派か猫派かなんて考えたこともなかったけど、どうしよう、ちょっと猫飼いたくなっちゃった。

 

猫大好きな方は表紙のイラストもおすすめ。かわいい。

 

なんなら表紙が一番怖い「山怪談」

 暑いと怪談がよみたくなりますな。

といっても、最近は年中怪談、不思議な話は人気があるそうな。

エアコンの発達か?それともネットの発達?
ネットでも怖い話は玉石混交読み放題。

ちょいとそれますが私が毎年楽しみにしているほぼ日のコンテンツがこれ。

ほぼ日の怪談 2019 - ほぼ日刊イトイ新聞

 

山怪談 (HONKOWAコミックス)

山怪談 (HONKOWAコミックス)

 

 こちら、安曇潤平氏の怪談を何人もの漫画家が書き起こした読み応え満点な怪談。

山に登ることが好きな安曇氏が体験した怖い話が続きます。

 

しかしね、そんなに怖くないんですわ、実は。どちらかというと切ない感じで終わるものが多い。これってやっぱり話者の人柄がでているのかな~

ちなみに原作は「山の霊異記」シリーズとのこと。

 

山の霊異記 赤いヤッケの男 (角川文庫)

山の霊異記 赤いヤッケの男 (角川文庫)

 

 

赤いヤッケの男が特に良かった。しんみりしちゃった。

良く出来すぎてててちょっと怪談ぽくないけど。

 

私は 伊藤三巳華の視えるんです。のファンなので、どれをイトウちゃんが描いてるかな~とおもって手にとったけど、全然わかんなかった。少なくとも今回はこんなに可愛くない・・・

 

視えるんです。 コミック 1-5巻セット

視えるんです。 コミック 1-5巻セット

 

後から確かめたら「きのこ狩りで遭難しかけて怖い目にあう」話だった。

(あらすじだけにすると、マジでナンジャラホイだな~ )

 

 

暑さピークと言われている今週、怪談で少しでも寒気を覚えたい方におすすめ!

(暑さピークを信じたい。去年は38度くらいまで行ったからなぁ)

 

 

意外と原作に忠実?「パタリロ源氏物語 」いや、やっぱそんなことないわ。

 


先日のセールでうっかりパタリロを無料ダウンロードして以来、すっかりハマっちゃって。


パタリロ源氏物語は、思ったより読みごたえがあって、原作に忠実?に思える部分もあり、でもなぜか陰陽師が出てきたり、しかもそれが実は魔界サタンの僕だったり、とはちゃめちゃ。さらに合間合間に作者の膨大な雑学だったり落語の素養だったりがたっぷり詰め込まれている。それはそれは過剰に。

ここら辺が好き嫌いの分かれるところかもと思うが、とにかく魔夜源氏の中ではかの光源氏も大福みたいなほっぺで顔すら描かれない、・・・もはや記号扱い。

 


それでも、光がとても女好きで誰にでも優しくていい顔しいであることよくわかった。

いろんな人が意訳した源氏物語を固め読みするのも面白いかもしれない。


奇しくも最近亡くなられたこの二人も源氏物語をかいてるし。

新装版 私本・源氏物語 (文春文庫)

新装版 私本・源氏物語 (文春文庫)

 
窯変 源氏物語〈1〉 (中公文庫)

窯変 源氏物語〈1〉 (中公文庫)

 

 

 

 

源氏物語 A・ウェイリー版4

源氏物語 A・ウェイリー版4

 
源氏物語 A・ウェイリー版1

源氏物語 A・ウェイリー版1

 

 





これなんかは、一回英訳されたものをもう一回和訳という・・・もはやよくやったなーと思う源氏である。

さすが世界最初の長編小説。愛されてんなー

怖さマイルド「修羅ノ国 北九州怪談行」

 

修羅ノ国 北九州怪談行 (竹書房文庫)

修羅ノ国 北九州怪談行 (竹書房文庫)

 

 

「修羅ノ国 北九州怪談行」を読んだ。この人の前作の話がえらく興味深かったので引き続き。

kindle unlimited で読み放題になってたというのもでかい。

 

それにしても修羅の国修羅の国って言わないでほしいわ(笑)(by福岡県民)

ロケットランチャーとか普通に出回ってないですから!!



まず、北九州ということで馴染み深い地名がたくさん出てくる。

そもそも、この人は怪談が書きたいというより歴史に興味があり、
もっと言うなら宗像で起こった事件に深い興味をもっていて、
これが前作「怨霊黙示録 九州一の怪談」に詳しくかかれているのだが、
興味をもってうろついていたら面白い?怪しい人たちとつるんで行動するようになり、
いわゆる肝試しツアーなどにも言ってしまうという話。

本人も、諸般の事情から怪談形式にしないといけない(多分売れないから出版できないとかだろう)ので今回は怪談にした、というような下りもあり、全体的に短い実話系怪談が続く。

 

作中の会話も楽しいし、そんな大人が何人もいる(これは読んで確かめてほしい)ってのも、ちょっとどうかな北九州、という気もしないでもない。

 

全般的に、こんな話を人から聞いた。とか、霊について真剣にかんがえている飲み屋のバカっぱなしとかが多くて、表紙ほど怖くはない。

 

 

ちなみに、前作はこちら。

 これね、実話(と言っても戦国時代の話)今から400年以上前の話だが、未だに祟りなすといわれている戦国大名・宗像氏の跡目争い「山田事件」について調査を交えて書かれている。

怪談、テイストだが史実をしっかり調べているイメージ。なにしろ、

昭和、平成を経て、現在までに関係者300人以上が呪い殺されている日本最大級、かつ現在進行形の怨霊譚。

 ていうんだらから、興味深い。

実際は結構昔の人の名前がたくさん出てきて、一読しただけではイマイチよくわからない部分もあった。

怨霊黙示録 九州一の怪談 (竹書房文庫)

怨霊黙示録 九州一の怪談 (竹書房文庫)

 

 

愛したぶんだけ愛されたいとおもうのがいかんのだ「恋愛中毒」

超久しぶりに恋愛小説を読んでみた。たしか、どちら様かがおすすめしていたので。

でも、読み終わって思うが、これは恋愛小説というよりは犯罪小説(クライムノベル)もしくはホラーだった。

 

恋愛中毒 (角川文庫)

恋愛中毒 (角川文庫)

 

 


主人公の水無月は今は、冴えない事務員として淡々と仕事をこなしている。
おばさん扱いされても平気だ。

だが、ふとしたことから記憶の蓋がこじ開けられ長い回想が始まる。

水無月はストーカーとして実刑判決を受けたことがあるのだった。

最初は、普通にどこにでもある離婚し次の出会いが始まる話だったが、
語るにつけ段々と彼女の恋愛についての異常な執着が見えてくる。
何度も何度もこんな生き方しかできない自分をさいなみながら、
好んで破滅していくようにも見える。
特に後半の畳み掛けるようにクレージーになっていく様はすでに恋愛ではなく執着、呪いに近い。

しかも、段々とその異常さが現れてくるところは怖すぎてホラー小説だった。
犯罪者として壁の向こうに行った人と自分は、ずいぶん違うと思っていたけれど、
実はそうでもなくて地続きの存在なのである。
誰だって、愛する人を独占したいし愛した分だけ愛されたいと思っている。
でも、水無月の愛は間違っていた。独占するために手段を選ばなかった。

きっかけが誰にでもあることだけに、この発展の仕方が気持ち悪い。
救いは、今落ち着いて働いているところか。

ざわざわした気分、ストーカー犯人の気持ちを知ってみたいと思う方におすすめです。

漫画ばかり爆読んでる「コノマチキネマ」「ばるぼら」「パタリロ」

kindle unlimitedの沼にはまっているので、とりあえず漫画ばかり読んでる。

 

コノマチキネマ 1巻

コノマチキネマ 1巻

 

 

ただいまkindle無料本のこちら。一人暮らしを始めた女の子が少しずつ同じアパートの住人と交流して成長していくはなし。

登場人物がおしなべて主人公にビシビシ厳しいので面白い。

 

ばるぼら 1

ばるぼら 1

 

作家が出会った少女は、アル中でどうにも手に負えないじゃじゃ馬。名前はばるぼら。振り回されつつも離れられないのはなぜか?ばるぼらは創作の女神なのか?

実在の小説の名前も出てきます。小松左京日本沈没

小説家産みの苦しみの物語。それにしてもばるぼらは手塚キャラにあるまじき可愛くなさが光ってる。

 

 

 

 



家政夫パタリロ! (花とゆめコミックス)
 

 


実写化に合わせてキャンペーンがあっていたみたい。残念ながら一瞬で終わったけど。

パタリロって私が子供の頃からやってて、正直その面白さに当時の私は気づいてなかった。

大人になって読み返すとこれ好きやわー

細々書き込まれたギャグがいちいち落語ネタだったりして、こりゃ出会った時期が悪かった。

これからムシャムシャ読もう。

ちなみにこの家政夫シリーズは、父の借金を背負ったパタリロ少年が歳をごまかして家政婦として働き、各家庭の問題を解決する話。オパタさん!

実写映画『劇場版パタリロ!』30秒予告 - YouTube

間違いなく実写化、まじか!?と思う漫画の一つである。

華和家の四姉妹(1) (モーニング KC)

華和家の四姉妹(1) (モーニング KC)

 

 

柴門ふみの漫画、初めて読んだ。

今までなんか大人向けな感じで手が伸びなかったのだが、大概私も大人も大人、成人式2回できるほどなので手を出してみた。

 

めちゃくちゃモテフェロモン出しまくりのおじさんを父に持った四姉妹の話

みんなそれぞれ悩みがあって頑張ってる。ただ、あまりにも女性の心の機微が描かれ過ぎててちょっと痛々しい部分も。

 

もちろん細雪を意識してるんでしょうな?と言いつつ細雪未読なんでよくわからん!

 

 

細雪(上) (新潮文庫)

細雪(上) (新潮文庫)

 

 

どれもこれも無料本

 

kinndleunlimited 三ヶ月99円になったよ

どうやらまた、kindled unlimitedが爆安になったようで、どうやら私も対象のようなので対象者はボタンが表示される、まんまとズブズブとまた沼にハマることにした。

 

で、とりあえず週末読んだのはこれ。

ぼくらのへんたい(1) (RYU COMICS)

ぼくらのへんたい(1) (RYU COMICS)

 

ずっとどんな話を描く漫画家か興味があったふみふみこさん。

ほうほう、そういうことですか。ジェンダーとかそういうのを考えさせられる作品。

残念ながら一巻以降は有料

 

ライオンブックス 1

ライオンブックス 1

 

この作品、あんまり有名じゃないよね?なんでだろう、ショートショートでどこからでも読めるしどの話もなかなか面白かった。

特定の主人公はいないので語られにくいのかな?

 

応天の門 1 (BUNCH COMICS)

応天の門 1 (BUNCH COMICS)

 

 

話題になってたけど、なぜか勝手に中国の話だと思っていた。

菅原道真の話だった。あの、我らが福岡の観光名所、太宰府天満宮の。

これがまた、クソ性格の悪い天才としていい感じに描かれています。謎解き要素もあって、バディにはモテ男で有名な在原業平?が投入されています。

いや、これ面白い!続きが気になってしまう。

 

漫画 屋根裏の散歩者

漫画 屋根裏の散歩者

 

こちらは、江戸川乱歩のコミカライズ。

ひっそりこんな漫画もあるんだねー

内容は忠実にしかし、絵柄は大胆に、ってところかな。

きっとファンなんでしょうね。しかし、ちょっと人を選ぶ絵柄かも。

明智小五郎は端麗な感じで描いて欲しい。

 

理想はこんな感じなんだよねー 明智五郎なんだけど。

 

で、話がずれるけど美食探偵といえば喰いタン。意外と面白くてハマるのよ。