エッセイは好きですか?
私はミステリーが大好きだけど、面白エッセイ、とくに抱腹絶倒な奴が大好き。
とくに、地に着いた足からぶっ飛んでいくような妄想爆発タイプがお気に入り。
「ほんわか」とか「しみじみ」のエッセイもいいもの(向田邦子とか?)が多いけど、やっぱり電車で読むと吹き出して恥ずかしいくらいの奴が読みたいですな。
ということで、大好きなエッセイスト6名をご紹介。
とはいえ、偉そうに言っても私が出会えたのなかでの厳選、なのでもっともっと面白いエッセイがあったら是非教えてほしい!そんな気持ちでこの記事を書いている次第。
面白エッセイ 6人のエッセイスト
順は不動である。出会えた順というわけでもなくただ私が思いついた順である。
この中では米原万里さんだけが故人。
土屋賢治
三浦しをん 本読ませて妄想させたら右に出るものなし
この方、何がすごいって小説とエッセイとのふり幅の大きさが半端ないのだ。
小説ではどうしてこんな美しい表現ができるんだろう、ってくらい言葉の一つ一つがキラキラしているのに、エッセイではとにかく妄想が半端ない。そして、読書量が半端ないので引き出しがものすごく多い。
特に、BLから純文学まで全く分け隔てなく熱く語るので、いったい全体どんなスピードで本を読んでいるのか謎。
包み隠さぬ彼女の生活に思わず、吹き出すこと間違いなし。
特に私はお母さんや弟とのエピソードが好き。
しをんのしおりは最初は本屋さんで配るフライヤーに寄稿されてた文章らしい。
そのころから才能の光が隠せなかったのか、今では流行作家だ~
宮沢章夫 とにかくいつもわからないまま終わる。それが面白い
本のタイトルからして、もうすでに何かいろいろあきらめているというか突き放しているというか。
特に、「よくわからないねじ」なんて私の中ではほぼ人生訓のレベル。
よくわからないねじはきっと捨てても構わない。だって、使うことないもん。
っていう、身も蓋もない話なんだけどものすごくツボ。
分からないことをわからないままにしちゃう、その置き去り感が楽しめる。
土屋賢治 哲学者で大学教授(ったら変人じゃないはずがない)いい意味で
この人、本当にお茶の水女子大学の哲学の教授なんである。
そのエッセイはどこまで本気かわからない、というか何一つ本当のことを言ってないかもしれない。こんな人が夫だったら本当にめんどくさいだろうなぁ。
実際、この人の妻ネタはすごい。
卒業生(柴門ふみ)や、同郷の士(いしいひさいち)、それにジャズピアノも弾かれるらしく、その仲間たちと何気にお友達が多い。
ということは、意外と普通のいい人かもしれない。
週刊文春でも連載されているので読んだことある方も多いだろう。
土屋先生の迷言をつぶやくbot君もあるよ!
岸本佐知子 エッセイだけ書いててほしいくらい!本業は翻訳家
この人のエッセイは、真面目な口調でどんどん境界線を越えていって、気が付けば彼女の土俵で大いなるボケをかまされている スタイル。
私のお気に入りは、しりとり(しかも一人脳内でやるやつ)で「る」の時に「ルイ13世」からの、「ルイ14世」「ルイ15世」・・・をありにするかなしにするか問題について。
着眼点がすごい!著者は相当有名な翻訳家なのだがどうやらおうちが好きな模様。
どこかに旅行に行ったりするわけでなく、広大な彼女の世界に引き込まれて、不条理な笑いを大いに楽しむといい!
寡作な人だが、昨年末新しいエッセイ「ひみつのしつもん」が出た。
読むのがもったいなくてベッドサイドにおいて1章ずつ読んでいる。こんな本はそんなに出会えないとおもう。
穂村弘 ほむほむはベッドで菓子パンを食べる
もっと言うとちゃんと一流企業の総務職に在籍していた二足の草鞋(わらじ)系歌人なのである。そんな系があるのかは知らないが。
で、この人のエッセイがまた面白いのよ~
なんかね、そこ???って思うようなポイントをいつも悩んでいたりあきらめていたりと、いわゆるアグレッシブさとかとは無縁の考えすぎ妄想ボーイ。
以前、ベッドで菓子パンを食べた話をエッセイに書いたら会う人ごとに「ああ、ベッドで菓子パンを食べる穂村さんですね」と言われてしまう話とか。
確かに真似できぬ、ベッドで菓子パン・・・本人もウィキペディアにベッドで菓子パンを食べる歌人とか書かれたらどうしようと、またしても悩んでいた。
偉大なるちっぽけさなのである。
米原万里 世界を見てきた姉さんのズバリいっちゃうやつ
通訳として活躍する彼女の国際会議などでの裏話。おもしろい!
多くの本を紹介してくれて、まさしく目を開かせてくれる読書録。
この作者は爆笑エッセイも本当に多いのだけど、実はこちらは爆笑ではない。エッセイでもないかも。
この本で私は「丸谷才一著の笹枕」という本を知りすべてを言い尽くす感じを知った。いろいろなことを考えさせられた。
こんなに本が読みたくなる本はそうはない。
一九六〇年、プラハ。小学生のマリはソビエト学校で個性的な友だちに囲まれていた。男の見極め方を教えてくれるギリシア人のリッツァ。嘘つきでもみなに愛されているルーマニア人のアーニャ。クラス1の優等生、ユーゴスラビア人のヤスミンカ。それから三十年、激動の東欧で音信が途絶えた三人を捜し当てたマリは、少女時代には知り得なかった真実に出会う!大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
これもエッセイじゃないかもしれないし爆笑ものでもないがものすごく印象に残った本。なんか、どうしても紹介したくなってしまって。
著者の半生記なのだが、とにかく すごい。真面目な話だが芯の部分はユーモアが一本貫いていて一読の価値あり。
調べたらkindleunlimitedで読めるようなので、ぜひ。
笑う門には福来る。腹を抱えた笑いたい方におススメ!