iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

時代小説を読む人必読「一日江戸人」

いや~!!!これ、すッごく面白かった!

杉浦日向子さんのよさに今ごろ気づくなんて、ぎりぎり~(歯ぎしり)

彼女の追悼フェアで並んでいた本書。

ものすごく膨大な資料を読み込んだであろう彼女が、さらりと紹介する江戸時代の風俗のあれこれ。
気負わない文章とイラストの数々(でも、90年代、バブル臭をを感じるなー)

なんちゃって「江戸人」になるために初級編から上級編まで順をおって読み進め、最後はちゃきちゃきの江戸っ子判定テストなんてのもあります。(時をへて今検定ブーム、・・もしかしてすでに存在するか?)

なんとなく時代劇のイメージ位しかなかったけれど、江戸時代の町人というのはそれば自由で、まさに文化的な生活をしていたようですね~

入門編には「将軍の一日」では、俗に言う殿様暮らし、夢のまた夢「将軍の一日」が紹介されています。

ところがそれは、なんとも過酷。6時から21時まで、年中無休。しかも、食事は毒見役など経て出来上がってから将軍の口へ入るまで2時間!しかも、その食事も≪おかずは梅干や煮豆、焼き味噌などの一汁一菜。食事中に小姓が頭と顔を剃る。≫そうで、なんとも真似したくない日常なのであります。

そして、≪大奥泊まりは厄日以外の数日のみ。側には二十四時間離れず小姓が付く。小姓は二時間交代なので、気が合っても長く過ごせない。≫まさに、プライベートナッシング!!

他にも食の話、相撲、おまじない、春画考、未来世紀EDO、意匠、決定版マジナイ集など等、江戸の洗練された文化を紹介してくれます。

これを読んで時代小説をよめば、またさらに面白いことうけあいです。

一日江戸人
一日江戸人
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3.17
杉浦 日向子著
新潮社 (2005.4)
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