iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

まっことみごとな「男振」で!

先日読んだ池波正太郎「あほうがらす」の一遍「つるつる」を習作として、1つの長編に昇華させたものです。
いや~読後にさわやかな感動がありました。
ハンディ(この場合若ハゲ!)を乗り越え、数奇な運命に振り回されつつも自分の信じる道を進んだ堀源太郎。
最後数ページのエピローグで、すべてを乗り越え本当に幸せになった彼の姿を「まっこと見事な男振(おとこぶり)で!」と彼の父が感涙するセリフがにジーンとします。
若様の頭を殴り死罪を覚悟した源太郎に「初霜饅頭」というのが差し入れられますが、これがまたおいしそうなんだ!
源太郎は死ぬことよりも「気がつけば饅頭のことばかり」考えている自分を「あさましい、自分はまだ子供なのだ」と思います。
そんなことないぞ。「初霜饅頭おいしそう(よだれ)」と時代を超えて妄想しているあさましき私がおります。

男振
男振
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3. 1
池波 正太郎著
新潮社 (2003.9)
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