先日、kindleの大規模ポイント還元が行なわれているよ!とお知らせした際私が買った本の中の一冊。
三津田信三の「黒面の狐」を読んだ。
戦後まもない混乱期。
主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。
波矢多は同じ炭鉱で働く美青年・合里光範(あいざと・みつる)と意気投するが、彼もまた朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に罪悪感を負っていた。
やがて同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。
現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。
敗戦に志を折られた波矢多は、相次ぐ変死体と“狐面の女”の謎を解けるのか。
細密な炭坑の描写の中から、じわじわと迫ってくる恐怖と連続する密室殺人の謎。
本格ミステリとホラーの魅力を併せ持った、著者の本領発揮の傑作長篇。
我ながら自分のカンの正しさを褒め讃えたい。
語彙力ない感じで申し訳ないが一言で言うなら
めちゃおもしろかったー!
ジャンルとしてはホラーでありミステリであるのだが、炭鉱で働く人たちの間にある怪談かに見せかけて、たくさんの伏線を張ってくれている。
最後のシーンにて、どんどんと伏線が回収されていきロジカルに謎が解き明かされるさまはまさに圧巻。ホントぞくぞくする!
いやーぴたりとはまったなぁと快感。すべてが伏線であったことを知った時の驚き。
久しぶりに楽しい読書だった。
あんなものを使った物理的なトリックだったとはね!
ネタバレになるから控えるというより私にはうまく説明できないほどの巧妙なトリックで、読後感がホラーなのに最高かもしれない。
また、一方では戦中戦後で炭鉱にてどのような非人道的なことが行われていたかを学ぶことができる。戦後しばらく経つけれど私たちは忘れてしまっていけないのだな。
エンタメ小説でありながらそういうところも考えさせられた。
それにしても、ちょっと自分のカンを見直しちゃったな。
やっぱりペンディングだったやつも買っとく!
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まだ間に合うので、皆様もぜひ!