ボーイズラブを好む“腐女子”であるつづ井さんと、仲間たちの楽しい日常―電車内で見かけた隠れ腐女子に共感、腐女子流ライフハック、「恋人がいそうなクリスマス選手権」を開催、謎の“推し”の存在などを綴る青春エッセイコミック。腐女子が辿り着いた哲学とは。文庫版まえがき・あとがき描きおろし。「第20回文化庁メディア芸術祭」推薦作品。
鉛筆で書きなぐったような漫画と侮るがなかれ、ものすごく深い漫画。
こういうのを衒いがないというのではないかな。
つづ井さんは腐女子だ。なんで腐ったて書くのかなーと思っていたけど今回のブログを書くにあたってやっと気づく。「婦女子」ね。
私もかなり漫画をたしなむ人間だが、BLにはまだ手を出していない。
タイトルで判断できず読んでしまったりしたことはあるのだが、今のところ面白いと思えなかった。
人間同士の間にはすべて各々の物語が生まれるはず。
なのに、男女以外の組み合わせにしか慣れていないので、別の組み合わせには対応できない旧型モデルの私。
ただ、BLは逆に男女の組み合わせも排除しているやん?いや読んでないので断定はできないけど。
どっちもありうる新しい分野の漫画が普通に流通するといいよね。
それこそつづ井さんが購入する薄くて高い同人誌とかでなくね。
つづ井さんは、楽しい腐女子の生活を紹介してくれているだけなんだけど、その考え方がなんというか、「この人心がきれいだな」と思うエピソードが多い。
しかし、年長者は特にオタクとかそういう人々に偏見をもっているよね。
そのエピソードもすごく心が洗われたので紹介する。
旅先の神主さんにいい話を聞かせてもらったあと、
「家に引きこもってオタクみたいな生活をしていると語彙も育たずつまらない人間になりますよ」とにっこり言われた話。
神主さんには全く悪気はない。おそらく、彼の中のオタクのイメージがそうであるだけで、しばらく話し合った若い娘二人が筋金入りのオタクであることにすら気づけないのだから。
結局彼女たちは、言い返せるようになるように「自分たちの辞書を作る」ということになります。
確かに、自分で稼いだお金をどのように使おうが他人からどうのこうの言われる筋合いはないのだ。
本当にクリエイティブだし、楽しそうだしこれを読むと何が悪いか?という思いしかしない。
本人たちは「ヤバい」とかの簡単で便利な言葉を使いすぎていること反省しているのだが、腐女子特有の言葉の使い方は結構新鮮だった。
願わくばみんながそれを理解してくれて、つづ井ちゃんがこのままずっと幸せに生きていけるような国になりますように。
少なくとも、経済的に自立していないとこの暮らしはできないのだよ。
みんな違ってみんないい、国営放送が子供番組で刷り込みまくってるので、この子等が育ったころに期待。