梨の「ここにひとつの□がある 」を読んだ。
箱、あるいは□をテーマにした短編集である。遊び心のある本、という言い方もできるのだが、読んでいる間の感覚としては「遊び心」と呼ぶにはだいぶ嫌な汗をかく。
どこか実験的で、とにかく「本」という形でなければ表現が難しそうな仕掛けが多い。
(いくらAudible信者の私でもこれは音読じゃ無理)
たとえば、「すべてのことばをみつけてつなげよう!」という章では、一見。男女の子どもたちが、クロスワードを解こうとするほのぼの知育ページの様相している。
だが、キーワードがだんだんと不穏な言葉になっていくし、何より途中で息をすって毒を吐くような場面がはさまれる。
なんなんだこれは。
読み終わってもなんだか良くわからないし、嫌な気持ちが残る。
そして、最期に表題作「ここにひとつの□がある 」が来るわけだが、これまた今までの話を思い出させるような事が書いてある。というか、はっきりは書いてないけど、多分書いてある。何しろ肝心な部分は□なのだ。
伏せ字が多すぎる。
あくまで読者をスッキリさせる気はないらしい。
わかりにくいから逃げない、っていうのが私の今期の目標の一つではあるんだけど、それにしてもよーわからん!
本屋で「都市伝説解体センター仕様のキラッキラな特装版」を見てとってもほしかったのだが、こんなに読者置いてけぼりな本だとは思わなかったわ。
ここまでちょっとネガティブな感想書いちゃったけど、さすが最近のホラー界隈の第一人者、梨の才能を感じる一冊でもある。
まず。表現がキレイ。とっても凝った言葉選びは作品のイメージにあっている。
読みにくさも含めて作品になっている感じがする。
こういう「考察してください」と言わんばかりの不親切さが好きな層には、かなり刺さりそうだ。
浦島太郎の物語をベースに亀目線?で語られる美しい物語もよかった。
読み終わっても、結局あの□の中身はわからないままだった。
確かに、誰かに正解(考察)をしてもらいたくなる本ではある。
この■を持っていると、恐ろしいことが起きる。
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