阿佐ヶ谷姉妹の「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」を読んだ。
人と人が一緒に暮らすというのは、実はけっこうな荒行である。
数年前にかなり話題になっていたこのエッセイ。大学生の娘の本棚にあったので、「ほほー」と思って読んでみた。といっても、私はAudibleで聴いたのだけど。
いやもう、この二人、ほんとにいいなぁ。「のほほん」という言葉がこれほど似合う二人もなかなかいない。
普通、六畳一間で二人暮らしなんて、恋人同士でもなければ、親子でもなかなか厳しいと思う。いや、恋人同士でも厳しいかもしれない。なのに、阿佐ヶ谷姉妹の二人はかなり長い間、同居生活を続けていたというのだからすごい。
最終的には隣の部屋が空いたので、今では「お隣暮らし」らしい。なんそれ、仲良しがすぎる!
二人は「お姉さん」「美穂さん」と呼び合っているけれど、実は姉妹ではない。由紀さおり・安田祥子姉妹のものまねから、あのスタイルが誕生し、ピンクのドレスをトレードマークにして活躍している。
この「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」を読んでいると、芸人としての華やかさよりも、日々のごはんとか、部屋の狭さとか、相手への小さなぐちいみたいなものがじんわり伝わってくる。
根っから美穂さんが好きなお姉さんは、美穂さんのことを何点かと聞かれた時、「ごめんなさいね、97点なの」と答えていたらしい。いや、高い。ほぼ満点。そんなに大好きなのかい!と、思わずこちらが照れる。
いい人の書いた文章は、良い文章になるのだなぁ、という好例である。タレントの書いたエッセイにわりと厳しい私も、思わずにっこりしてしまった。
それにしても、お姉さんの方は、ラピュタの好きなシーンを聞かれて「巨神兵がドロドロに溶けながら、ピシャーっと光線を出して周囲を焼き払うところ」と答えるなど、あの穏やかな笑顔の下に、なかなかクレイジーな一面を隠し持っているようだ。
そういうところも含めて、ただの「いい人たち」では終わらないのがさすが芸人さん。のほほんとしているけれど、ちゃんと変。
漫才師のコンビ仲については、あまり良くない話を聞くこともある。仕事の相方であり、ライバルであり、長く一緒にいるからこその難しさもあるのだろう。
でも、「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」に出てくる二人は、血のつながらない家族みたいで、友達みたいで、でもやっぱりコンビである。距離感覚絶妙なのかしら。
そういえば、友達と最近良く話す。将来はシェアハウスとか最高じゃない?と。
それか、お隣同士とかいいよね、と。
二人はすでに最高を手に入れているのだな。
読み終わるころには私も阿佐ヶ谷的な町に引っ越したくなっていた。
いいなぁ、馴染みのお店。
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40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした
小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満
載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉め
る一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけ
に舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を
抱えつつもマイペースな日々が続くと思いき
や――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う
往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。
次に読みたい本
わかる、この二人の笑いって「じわじわ」よね。

