iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「妻に失恋した男」と「妻のこと」

江戸川乱歩の「妻に失恋した男」を読んだ。

 

江戸川乱歩の書いた小説の中に「夫婦(それも歪んだ)」の関係を書いたものは多いけど、以外なことにズバリ「妻」という言葉がタイトルに入っているものは少ない。

 

(エッセイに「妻のこと」というものがある。これは先日読んだ「乱歩と千畝」に書かれていたこととほぼ一緒で、しれっとこんな事を言っちゃう乱歩って令和だとモラハラ夫だと思う。)

 

「人でなしの恋」とか「盲獣」なんかはずばり夫婦ものだけどミステリーというより倒錯した変態達の話だ。

 

さて、この妻に恋した男はサクッと読めるミステリー。事件を解決した執念深い刑事のひとり語りという体裁の小説だ。

ここからネタバレ。読んですぐ忘れてください。

結局男は自殺に見せかけて殺されているのだが、拳銃を口に加えて発砲というショッキングな死因は、実は歯科医が「はーい、」お口開けてくださいねーからのズドン!

だったのだ。

そんな身も蓋もない!という感じだが、この歯科医が奥さんと密通をしていたのである。

 

・・・確かに歯医者では我々はとんでもなく無防備だ。

むしろ、わざわざ拳銃なんて使わなくても、やり方はいくらでもありそう。

 

そうだ、父の仇に復讐するために歯医者になって機会を伺う、っていうミステリーはどうか。(どうかといわれてもね)

 

なんか、回収されてない伏線があるよーな気がしないでもないけど、なんだか勢いで読まされてしまった。

 

青空文庫の「妻のこと」とあわせてぜひ。

江戸川乱歩 妻のこと

 

 

妻に失恋した男

世田谷警察署の刑事であるわたしが出くわした、ひとつの事件。
拳銃自殺したのは南田収一という三十八歳の男ですが、その動機が妙だ。
故人の友だちに聞き込んだところ、
「おれは死にたい。それとも、あいつを殺してしまいたい」と、
酔ったまぎれにわめいてしたと知りました。
つまり、南田は心底から惚れた自分の妻に袖にされ、
失恋したから自殺したというのです。

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乱歩エピソード、令和だとアウトなことが多いなぁ。