iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「金の角もつ子どもたち」全力を出すことは美しい

藤岡陽子の「金の角持つ子どもたち 」を読んだ。

中学受験にチャレンジする子どもたちと、周囲の大人たちのドラマ。

サッカーで日本代表になる、なんて子供らしい夢を持っていた俊介だが、チーム内での選抜から外れてしまった。

 

そんな彼の出した答えは「サッカーは辞めて中学受験をする」だった。

 

12歳での受験に最初は父親ですら反対した。

そうだろう、確かにそんなに小さいうちから受験勉強なんてと私も思っていた。

 

そんなふうに無自覚に「受験に反対」をする人々にかこまれて、一度は諦めそうになる俊介だったが、全力で勉強に打ち込む姿に徐々に回りの大人も変わっていく。

 

特に、塾の先生のパートが素晴らしかった。

12歳のこどもに中学受験をさせることの是非について、彼の言葉で語られると納得がいくのだ。

 

勉強は特別な取り柄のない子を救ってくれる。

成績のよさと勉強を頑張れる子はちょっと違う。

12歳で全力で頑張ったことは、のちの人生の大きな支えになる。

そして、最期の極めつけは、

「全力で頑張っているこどもの頭からは金の角が生えてくる」

 

そっか、なんとなく中学受験に対して良い感情を持っていなかったけど勉強もスポーツも「燃え尽きるほどやり切る」って等しく素晴らしいことなのかも。

まあ、少年ジャンプの漫画にはなりそうにないけど。

 

信頼する塾の先生に俊介が告白した「勉強を頑張る理由」がホロリとさせられる。

 

彼は妹の聴覚障害が妊娠風疹症候群であることを知ってしまい、ちょうど自分が風疹にかかったことも覚えていたのだ。

大人たちの会話を漏れ聞いてしまった彼はずっと責任を感じ続けていた。

12歳が抱えるには重すぎる罪悪感を「聴覚を共有できるロボットを作りたい」という夢に全力でかけることで、振り切りたかった。

 

もちろん、誰も彼を責めたりはしていないのに、幼い彼はずっと妹を守らなければと思い続けている。しんどかったと思う。

いい話や~

 

金の角持つ子どもたち (集英社文庫)

 

 

頑張るあなたへのエール!
金の角。それは、未来を指し示す希望の光。突然、中学受験を決意した小6の俊介。その頑張りに周囲も変化していき──。いきなり文庫!

「サッカーをやめて、塾に通いたい」小6になる俊介は、突然、両親にそう打ち明ける。日本最難関と言われる中学を受験したいのだ、と。難聴の妹・美音の小学校入学を控え、家計も厳しい中、息子の夢を応援することを両親は決意。俊介の塾通いが始まる。だが、彼には誰にも言えない"秘密"があって……。人は挑むことで自分を変えることができる。未来を切り開こうと奮闘する人々を描く、感動の長編小説。

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これはねー、ネタバレに近くなってしまうんだけどつながってるんですわーichi-z.com