澤村伊智の「ひとんち」を読んだ。
「ぼぎわん」の澤村伊智が書いたホラー短編集。
「ひとんち」からは始まり「じぶんち」で終わるという、なかなか乙な取り合わせ。
「ひとんち」こわかったなーどこから見ても裕福で素敵な奥様とおもっていた香織の家にいったら、2階に彼女が犬とよんでいるなにかがいた話とか、
「宮本くんの手」もいかにも自分の知り合いの話のようで怖かった。
宮本くんは自分の手荒れと天災を関係あると思いこんでいて・・・という話。
やっぱりそうきたかという終わり方なのだが、やっぱりいやあな気分になる。
みんなが上げている「シュマシラ」も雰囲気がよい。
絶対無理だけど水木しげるがコミカライズするといいんじゃないか。絶対無理だけどいわゆるイタコ漫画家の方々にやっていただきたい。
シュマシラ、という珍しい妖怪のルーツを求めてマニアが寂れた動物園にやってくる。そこで気がつけば異世界のようなところに迷い込み・・・という話。
また、このマニアがうだつの上がらない中年男達という設定。
ね、水木ワールドでしょ?
締めくくりの「じぶんち」はこんな話。
修学旅行から帰ってきたら、家族がいなくなっていた。
こんなに夜遅くにどこへ?こたつもテレビも付いているのに、だれもいない。
ただでさえ、修学旅行のお迎えがなかったことでちょっと寂しかったのに、その上家族全員いなくなっているので、どんどん怖くなっていく。
中学生だもの、そりゃ泣きそうになるさ。
ところが、しばらくして家族全員が帰ってくる。だが、そこには自分もいたのだ。
何かが起こって自分だけ「転送もれ」をしている状態と説明されるが、全く意味はわからない。だが、わからないなりこの後自分は、本来なら廃棄されるべきコピー元としては生きていかないといけない事がわかってくる。
「じぶんち」が限りなく「ひとんち」のようになってしまう。これは、怖い。
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他人の家とは何か「ズレて」いる――。友人の香織の家に遊びに行った「わたし」。近況報告するうち、各々の家に伝わる独自のルールの話になり……。(「ひとんち」)「私」は食玩コレクターの柳から、「シュマシラ」という聞いたことのないUMAをモチーフにしたロボットを見せられ……。(「シュマシラ」)ホラー小説の新鋭・澤村伊智による、日常のすぐそばに潜む恐怖を描いた全8編!
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