稲田 豊史 の「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 」を読んだ。
この人の最新作「本を読めなくなった人たち」が今話題だ(ということを岡田斗司夫の動画で知った)
どうやら、数年前に書かれて話題になったこの本の続編ということらしい。
というわけで、手っ取り早くAudible で聞けるこちらを読んでみた。
いや~めちゃくちゃ刺さった!
この本を書いていたコロナ禍の作者は「映画を倍速で見るなんていかがなものか」よりだがあれから数年。倍速視聴は当たり前の世界になった(らしい)
実は、私も若年層ではないけど結構倍速でコンテンツを消費してしまう。
そう、まさしくその行為は鑑賞ではなく消費なのだ。
でも、私の倍速とZ世代の倍速はちょっと違うところもあるみたい。
まず、私も賛同できる倍速の理由は「とにかく見るものが多すぎて時間がない」だ。
もっというと「たくさん見たい」だ。
だが、Z世代の倍速の理由は他にもある。たくさん観たい理由が「友達との共通の話題作りのために見ないといけない」らしいのだ。
曰く、彼らは「感情を揺すぶられたくない」ので倍速して見たくないシーンがないか確認したり、「どうせ私がみても深い理解はできないから出来事の動きだけでいい」なんて意見も。
わたしは「ネタバレ」なんてみんなされたくないんだろうと思っていたけどなんと、どんな話か分かっていないと安心して時間を裂くことが難しいのだそう。
人によっては、ミステリーですら最期の決着を一度確認してから見るんですって。
あまり真逆の価値観にひっくり返りそうになったわ。
そうそう、最近のラノベのタイトルがとても長い理由も書かれていた。
あのタイトルはもはやあらすじなのだ。だから、タイトルにこんな深い意味があったのか!といった驚きや発見はなく「異世界にいって、〇〇になって無双する件」的な事をあらかじめつたえて、読者の不安を取り除いているのだそうだ。(読者の不安?ワクワクじゃなくて?)
思わず息子に「あんたってZ世代?」って聞いてしまった。
いや、ここまで価値観が違うんだったらそりゃ、話通じないわ。
なんとなく会社の若い人たちと話している気がしたけど、あれは先方の多大なサービスだったのかも。猛省。
読み終えて感じたことは、こんなにみんなふわふわの心地よいものばかりに包まれてて本当に大丈夫?だ。
背伸びした読書とか、知ったかぶりとかって今の時代の若者はしないんだって。
この本には、彼らがそうなってしまった理由もしっかり書かれていて、
安直に若者批判はできない。でも「幼年期の終わり」みたいだなって。
みんなが、安全でクリーンで均一なイメージ。これって気持ち悪いんだけど、それを気持ち悪いっていうのもだめなのよ。
そんな時代に親世代の私たちがしてしまったんだけど。
あー、パンドラの箱を開けてしまったとは良く言ったね。
未読の方は、ぜひ。
現代社会のパンドラの箱を開ける!
なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。
なんのために? それで作品を味わったといえるのか?
著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、
やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという
事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか?
いま映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか?
あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。
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◎目次
序章 大いなる違和感
第1章 早送りする人たち
――鑑賞から消費へ
第2章 セリフで全部説明してほしい人たち
――みんなに優しいオープンワールド
第3章 失敗したくない人たち
――個性の呪縛と「タイパ」至上主義
第4章 好きなものを貶されたくない人たち
――「快適主義」という怪物
第5章 無関心なお客様たち
――技術進化の行き着いた先
おわりに
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