間宮 改衣の「ここはすべての夜明けまえ」を読んだ。
適合手術を受け機械の身体を手に入れた私が、家族史を語る物語。
独特のちょっと幼いしゃべり言葉の文体が物語とあっていて一気に読める。
適合手術を受けた彼女は、永遠に若くて美しいが機械の身体なので冷たくて硬い。
彼女に良くない愛し方をしていた父親はその冷たさから手のひらを返したように彼女を疎む。
それを憎むでもなく受け入れ淡々と生きる彼女は、25歳成長が止まってしまったまま、実は生きているけどずっと心が生きていない状態だったのかもしれない。
その後、甥っ子である新ちゃんを「私が搾取してしまった」と彼女は語る。
恋人の新ちゃんが死んでしまうころ、地球が人間が住める星ではなる。これから誰もいない場所で一人で何をしてよいか判らなくなった彼女は、ようやく今までずっと住んでいた家を出て長い旅に出る。
機械の身体の耐用年数が終わりかけるころ、彼女はようやく自分がどうするべきだったか悟るのだ。
私は、新ちゃんに「大きくなったら恋人になって」と言われた時にちゃんと断るべきだったのだと「君は私の中ではいつまでも大人にはならない」と。
誰もいなくなった地球で、朝焼けを見ながら
何でも無頓着に受け入れるのは、自分を粗末に扱うことだとようやく気づき、これからは向き合っていこう決める。
最期は長いため息が出る、そんなエモいSF。
ちなみに、昨日読んだ「バーナード嬢曰く:8」で長谷川さんが「人生変わった」と激推していた本である。
2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった
次に読みたい本
なんとなくタイトル繋がりで・・・

