iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「天才プログラマー金子勇との7年半」もっと早く知りたかった!無念。

壇 俊光の「天才プログラマー金子勇との7年半」を読んだ。

 

実際にあった「Winny事件」を担当した弁護士が語る貴重なノンフィクション。

 

このような事件があったことは覚えていたが、その後長い年月をかけて争われ、無罪を勝ち取ったことまでは知らず、大変失礼をいたしましたという気分。

 

私たちは捕まったというだけで、少なくとも火のないところには煙が立たない。100%悪くなくても10%ぐらいは悪いことしてるんじゃないの?という目で見てしまう。

 

しかも恐ろしいことに、捕まったことしか記憶に残っておらず、その後の裁判の結果無罪になったことなど、あまり有名にならない。

 

この事件で、警察側の横暴な逮捕さえなければ、開発された革新的な技術をもって、日本が国際社会でIT分野を牽引できていたかもしれないというのだがら、その損失ははかり知れない。

 

しかも、金子氏は無罪が確定してからほとんど間を置かずに早世している。

心身にかかるストレスが彼の命を縮めたことは間違いない。

なんともやりきれない気持ちなる話だ。

 

この本はノンフィクションではあるが、書いたのは彼の若き担当弁護士。

職業作家でないからこそ、そして、金子氏に惚れ込んで弁護しているからこそ、手に余るほどの情熱がダダ漏れである。

 

しかし、これが本当のことだとしたら(いや本当のことなんだろうけど)あまりにも理不尽な事件である。

 

著作権違反幇助の罪でファイル共有ソフトをつくった金子を捕まえるということは、実際に違法な行為をした人物ではなく、その技術を作った人を捕まえるということである。

ナイフで刺殺事件が起こったらナイフを作った人を逮捕するような話なんだもん。

童話の中の横暴な王様レベルの悪法が本の20年前の日本でまかり通っちゃってたんだから、呆れてしまう。しかも、それが7年半も争うとは。

 

ちなみにこのファイル共有ソフトの技術はかなり画期的なものらしく、あいにく違法ファイルのやり取りにも最適だっただけで、その他の利用方法はたくさんある。

何と言っても基礎技術なのだ。

 

返す返すも、作者の無念さにシンクロしてしまう。終章ではついつい号泣してしまった。

映画化されているので一緒に見るのがおすすめ。

 

 

 

Winny 天才プログラマー金子勇との7年半 (NextPublishing)

インターネット上のビジネスに欠かせないP2P(ピア・ツー・ピア)技術。その可能性を開拓した「Winny」の開発者・金子勇は、2004年、「著作権法違反幇助」の疑いで逮捕・起訴され、無罪判決が確定するまでに7年半もの年月がかかりました。

本書は、「Winny事件」弁護団の事務局長を務めた壇俊光氏が自身のブログを元に小説としてまとめたものです。日本のインターネット技術の発展に負の影響を残したと言われる裁判の経緯を追いながら、壇弁護士が見た金子氏の人物像、Winnyの核心を語ります。

推薦文は、2ちゃんねる開設者・ひろゆき氏から寄せられました。


【目次】
プロローグ
第1章 捜査弁護
第2章 起訴から公判まで
第3章 1審弁護―前哨戦
第4章 1審弁護―警察証人尋問
第5章 1審弁護―技術立証
第6章 1審弁護―被告人質問
第7章 地裁判決
第8章 控訴審
第9章 高裁判決
第10章 最高裁決定
エピローグ
付録 Winnyをより深く知るための基礎知識

次に読みたい本

Winny

Winnyの技術